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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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スランプだけど。

気晴らしに違うパロ打ったら本気になるって言う……。
こんなのが私のマジ妄想です。恥ずかしい。


以前やった、【兄貴が井野辺家に嫁ぐ話】のプロローグです。

これに合わせて、前の記事を多少変えました。
バレないと良いな。

母校を訪れたのは久し振りだった。


来た理由は物凄く私情。

首から提げたちょっとお高い黒いカメラ。


俺は一般企業に就職しても尚夢、を捨て切れずにいた。


写真のアマチュアコンテストを開催している雑誌にたまに入賞して、本気でプロになれるのではないかと思った時期もあった。

でも、俺は馬鹿じゃない。プロは諦め趣味の範囲で今も続けている程度。



たまに入賞と言いつつも、最近はすっかり常連になりつつある。
それが堪らず嬉しくて。


今回は少しプロっぽく行きたくて。
高校の時、所属していた写真部と言う立場を利用して写真を撮りに来ていた。

ここの高校の、花壇は綺麗なのだ。
その写真が撮りたい。


先生から了解も貰った。

職員室を出ると、土曜日と言う事もあってか人はあまりいない。
いたとしても補習の生徒か部活の生徒。


懐かしくも確実に覚えている学校の構造。
迷う事無く校長の趣味で花壇と言うより植物園に近いあそこへ向かった。


運動部と掛け持ちでやっていた文化部・写真部。
コンテストがある時だけ集まり、写真を撮っていた。

部員のみんなも趣味とか、気晴らし程度の感じ。

それが、たまたま入賞したのだ。
これがきっかけだった。





「前より、凄くなってるかな?」

花の種類は確実に増えている。
木も数本増えている。

初めて入賞した時の写真、まだあるかな?
部室に行けば残ってるかも。


そんな事を考えて歩いていた。


「さて、そろそろ撮りますか」


晴れてくれて助かった。


俺の視界は暫くレンズ越しになった。
狭い視界を目を凝らしていいポジションを探す。

画面の分割を考えつつ、ピントを合わせて。


もう少し離れた方が良いだろうか?
もっと横にずれるか?

もっと、こっちに……。


今度はこっち側を。


倍率を高くしているカメラを横にずらした瞬間、視界が一気に白くなる。


「っ!」

眩しくて目をつむった。

何かが反射している。
一瞬見えたのは輝く紫。

何の花かと思い、驚いて離した。



「んぅ……」


「よ…うせい?」



バッと口を押さえた。
馬鹿、人間だ。

此処の学校の制服を見ているではないか。




木の下で、生徒が寝ていた。




まあ、この場所をサボり場にする生徒は珍しくない。
でも土曜日でこの場所に居るのは可笑しい。


「寝て…る?」


草を掻き分け、近付いてみた。



「うわ……」

さっき自分のレンズが捉えたのはこの髪か。
太陽の光を受け、キラキラ反射していた。

どこの花弁かと思ったら人の髪。
こんな綺麗な髪色、初めて見た。


整備された芝生の上で寝ている少女。


そーっと、少女の顔が見える方へ。


「うはぁ……、美人さんだなぁこりゃ」


これまた驚いた。綺麗なのは髪だけじゃなかった。
顔立ちが酷く整っていて、また花の妖精じゃないかと頭を過ぎる。

俺が学校を卒業してから、こんな美人さんが。


すーすー、と小さく呼吸する少女。
こんなにもまじまじと見ていても起きる様子が無い。


「何年生だろ…?」

無意識の内にカメラを持ち上げていた。


「っておい」
自分、何してんだよ?!


気付くと彼女にレンズを向けていて驚く。

盗撮は良くない、捕まるぞ俺。


無意識に手が動く程、本当にこの子は綺麗だった。



(やばい、ドキドキしてきた……)

こんな上物な被写体を前にして、若干興奮していた。

呼吸をする分だけ開いた口。
身を捩る度にサラサラした髪が頬に落ちる。

閉じられている瞼の向こうには何色の瞳があるのだろう?



(ごめん、私用だから、外部には出さないから、誰にも見せないから、俺だけの物にするから、ごめん)

言い訳を心の中でリピートしながらボタンを押す。


パシャリ


静かな植物園に響いた。
こんなにもシャッター音は大きかったのか。

ゴクリ、とシャッター音と変わらない位自分の中で響いた。


雑草と思わしき草だって、良く見れば小さな花を咲かせている。
黄色い小さい花。


(この角度だと、花もこの子も入る……)


パシャリ



「可愛い」

パシャリ

「お花の妖精さん」

パシャリ

「いいぜ……」

パシャリ

「もっと」

パシャリ


「赤い」


パシャリ


へー、目は赤かったんだ。


「へ…?」
「あ……」


レンズの向こう側と目が合った。


「うわあああああ」
「!!!」


しまった、夢中になって限度と言う物を忘れてしまった。

起こしてしまった。気持ち良さそうに寝ていたこの子を。



「ごめんなさい! 通報しないで下さい! 私用です! 俺だけの物です!!」

「はひ……?」


むくり、起き上った。


「通報だけは!」

「だ…れ?」


ああ、慌てて大事なカメラを落としてしまった。


「カメ…ら?」

「ちが、これはっ…!」


そこで気が付いた。

寝っ転がっていた彼女は運動部ではないのか制服を着ていた。
そのまま、横になっていたのだ。

必然的に、

「しろ……」

い、パンツが見えてます。



「っ!? あっ、貴様、何して?!」

「す、すみません、わざとじゃ、違いまっ…!」


急いでカメラを拾って弁解しなければ。しかし、焦ってバランスを崩してしまい地面に手を突いた。


パシャリ。


「あ」

「!」


手の平に痛み。
ゴツゴツしたカメラに手を突いてしまった。

酷いです神様。
何でこう言う時に限ってレンズは彼女の方を向いているのですか?


「貴様ぁああ!」


次の瞬間には顎に衝撃。
蹴られたのだ、彼女に。

ほら、そんな事するからまた白い下着が……。



綺麗な花達の上に俺はダイブした。










「あ…れ?」


首、完全に鞭打ちかな…?
あはは……。




「すっ、すみません! ね、寝ぼけていて……!」


飛び起きた彼女は焦って俺に駆け寄った。
良い声…、澄んでいて……。


「……だ、誰ですか?! ここの先生じゃ……」

どうやら俺を先生か何かと思っていた様だ。
今度は違う意味で青褪める。


「ふ、不法侵入?!」

「ちがっ、俺はここの卒業生で……!」

「お…OB……ですか?」

「まあ、そんなとこ…です」


安心したのか、ペタンと座り込む。

体を起こすと首が悲鳴を上げた。
いたたたた……。痛いけどギリ鞭打ちは免れたかな?


「お…驚かせないで下さい……」

「わ、悪い、起こす気はなかったんだ」

起こす気はなかったけど、起こす要因になり得る行動は多々取ったのは間違いない。


「何をしてるんですか? こんな所で?」

俺だってお前に聞きたい。
どうして此処で寝ていたのか。

「写真撮りに来たんだよ」

「写真? ああ、だからカメラを」

ドキリした。
さっきまで見ず知らずのこの子の寝顔を激写していたから。


地面に落ちたままのカメラを拾った。


「ちょ、待っ!」

「は?」


液晶画面にはさっきまで自分が撮っていた彼女の寝顔。

ぴ、ぴ、と次々と見て行く彼女の顔は見る見る内に赤く染まる。


「なっ……、なっ……!」


口をパクパクさせた。


「き、貴様! 何故僕の写真がある!!」

「こ、これはっ!」

物凄い形相。
美人さん故、迫力倍増、

「吐け! 理由を吐け!!」


大きな赤い瞳がこちらを睨んでいる。
それすら俺はときめいた。


「ごっ、ごめんなさいっ! だって仕方ないだろ! 
お前さん、とっても綺麗だからさっ!」

撮るしか無いじゃん! と。


てか、俺何言ってんの?!
違う! 嘘じゃないけどそれは今不適切だ。


キック、公訴、美人さん。
全てが俺の思考を麻痺させる。



「き…綺麗…?!」

握っていた拳が緩む。
強張っていた顔が一気に緩んだ。

(あれ…?)

何だこの顔。


「ばっ、馬鹿じゃないですか?! き、綺麗だとか!! そんなのでは僕は騙され……!」

「いや本当だって! 撮りたくなるもんだろ! 被写体が良いと、本能がさ!」

「ひ、被写体…?! 本能……?!」

「可愛い花を撮るつもりだったのに、可愛いお前がそこで寝てるから…!」

「かわっ!」

より一層赤くする。


「貴方は僕を馬鹿にしてるのか?!」


弁解するつもりが、ズルズル、変な方向に行っている。
俺は口説くとか、そんなつもりないのに。

お前が綺麗だからとか、そう言う理由を述べるべきじゃない。
もっと、根本的な理由を。


「写真の、コンテスト用の写真を撮りたくて! 此処の植物園が良いと思って……!」

「こん、てすと……?」

「ほら、此処綺麗に管理されてるし、色んな種類の花があるから……。良いのあるかなって……」

「成程……」

どうやら彼女の求めてる返答が出たらしい。



「で、僕を撮った意味は? まさかコンテストに!」

「だ、出さないよ! 俺の個人用だから!!」

「ああ、そうですか。
………はぁっ?!!」


しまった。
これでまた元に戻った。


「あああ貴方、自分が何したか分かってないんですか?!!」

「たたたまには人も被写体にしたいんだよ! 何事も練習さ! ほんの出来心です! 悪意はありません! ネットに晒しません! 変な使い方もしません!」


それっぽい理由を述べた筈なのに、後半ズタボロじゃない?


「貴方、本当にコンテスト目的ですか……? まさか、女子更衣室とか、女子トイレとか、水泳部とか……!」


ぎゃーーー。
最悪な方向に事が進んでる。

目がもう完全に汚い大人を見る目だ。


「本当だって! ほら、この雑誌見ろ!」


入賞した写真が掲載されている雑誌をバッグから取り出し見せた。
そのページを折っておいてたから一発。

一応素直に受け取ってくれた。


「これ、俺のな」

「これが…?」


指をさすと瞳を見開くのが分かった。


「ロックオン……?」

写真の横の文字を読み上げた。

「あ、いや。それはペンネームってか、偽名と言うか」

「そうなんですか」


あ、それってひょっとして、身分証明不可なのではないか?


「貴方、ひょっとして写真部に入っていたのですか?」

「え? まあ、そうだけど」


学校の先生には話を通してるから多分警察は免れるだろうが、彼女を写したと言う事実がこのカメラに入っている。

もし彼女に訴えられたらこのご時世、勝てない。


「そっそうだ! まだ写真部あんのか?!」

違う話題を。

「あ…、あるにはありますけど、今は部員がいないのです」

「マジかよ……」


当時も人数はいなかったが、そうか、何れ消えるかもしれないまでになってしまったのかと思うと、寂しかった。

ショックで、一瞬だがこの最悪な状況下を忘れた。


「部室に行ってみますか?」

「え?」

「あそこは元々物置だったのでしょう? 今でもそうです。きっと当時とあまり変わってないと思います」


彼女が立ち上がり、制服に着いた草を払った。


「いいの…?」

それより、雑誌で俺を信用したの?
やはりまだ子供。疑う事を知らない。


「その、貴方を、蹴ってしまったお詫びと言うか……。
あれは本当にすまない、寝惚けて、ビックリして……」


彼女は自分を寝ぼけて蹴った事を多少は気にしていた様だ。

ってか、え?
俺、てっきり彼女のパンツを激写してしまった事に対して蹴られたと思ったのだが本人は違う様。


「お、覚えてないの…?」

「何をですか?」

「いや…、何でも……」


た、助かったあああ!


「どうしたのです? 行かないのですか?」

「行きます!」


正直、部室がどうなっているか気になる。
倉庫化していた準備室と言う事もあってか、放課後となれば普段の教室から離れたあそこは人も来ないし、滅多に顧問も顔を出さなかったので本当に何でもし放題。楽しい空間だった。



「では、職員室に鍵を貰いに行きましょう?」


---------------------------

≪2に続きます≫
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自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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