いつから変えてなかったけ?
……昨年の9月からですか……ああ………。
5ヶ月……ほぼ半年……かな?
拍手文変えました。
新しいのは、本編ファースト設定です。
ガンカフェ言って、ティエリアくんかくんか記念です。
ティエリアの体臭、ティエリアの体液……考えた後、自分に引いた。
ライルもくんかくんかしたい、せっちゃんもくんかくんかしたい。
公式設定だと、世界にお披露目~フォーリンエンジェルズの間に平和な4月なんて挟みませんが、
そこは目を瞑って下さい。
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「起きろアレルヤ・ハプティズム!!」
「はっ、はいぃぃぃいいい!!!」
まだ20にも満たない少年と青年の中間の顔立ちをした彼は、自分より更に幼い、
「ティティティエリア!! 出撃かい?!!」
ハッキリ言おう、頭が上がらないのだ。
アレルヤと相部屋であるティエリア・アーデに。
「違う!」
「は……?」
違うの?
いつも、いつ急なミッションが入っても良いように、取れる時に睡眠と食事は取っておけと言っているのはティエリアだ。
そう思っても言えないアレルヤ。
「貴様、今日が何月何日か忘れたか?!」
「へ?!」
急いでベッド脇のサイドテーブルに置いた携帯端末を見る。
「さん……、しっ4月1日ですっ!」
更に付け加えるなら今0時3分。
さっき日にちを跨いだばっかり。
こんな深夜に本当に何なんだ?
「貴様は去年の4月1日、何をされたか覚えてないのか?!」
ああ、何て情けないのか。
その表情、凄く怖いんだ。
もう一度言おう、
アレルヤは、自分より年下であろうティエリアには逆らえないのだ。
「ロロロロックオン!!!」
「ほわっ?!! あ、アレルヤ?!!」
深夜2時。
宇宙に昼も夜もないが、一応グリニッジを基準にしているから今は夜。
突然叩き起こされたロックオンの頭は直ぐに緊急出撃命令が出たのかと過ったが、どうも静かだ。
本来鳴る警報が鳴っていない。
アレルヤ本人は煩いのだが。
「何だ、どうした?」
ふと横を見ると、俺の相部屋の少年はこの煩さでも全く起きる様子がない。
何と言う大物の風貌。でもマイスターとしてアウトでは。
「えっと、ですね、さっき……出撃したんですよ……」
「え? ミッションなんか入ってたか?」
「きゅ、急遽で…! 僕と、ティエリアが……出て、」
「全然警報鳴らなかったと思ったけどなぁ…?」
「し、深夜だったので、配慮して……」
「はぁ?! 何だそりゃ? オペレートは誰が? ミス・スメラギは?」
次々と質問するも、アレルヤはあたふた。口を開けるも言葉を発しない。
「てぃ、ティエリアが…!」
「ティエリア?」
全ての質問を素っ飛ばして、突然『ティエリアが』と割り込む。
「あの……その、」
「ティエリアがどうかしたのか?」
「怪我、しまして……」
頭が真っ白になった。
だって、ガンダム4機の中で最も装甲が厚い筈のヴァーチェが。
「本当なのか?!!」
「え……あの、はい……でも…!」
「何で応援を要請しなかったんだよ?! つか何でそんな強い敵が来てんのに警報の一つも鳴らさないんだよ?!!」
「はいっ、僕もそこは再三矛盾してると……あ、いえ、その……」
?
アレルヤに違和感。
焦っているのは確かなのだが、何か違う。
ロックオンはそう頭の片隅で思うも、それ以上の事でそこまで頭が廻らない。
「怪我したのか?!」
「ええ、その、まあ、はい」
「容態は?!」
「容態?!!」
何だ、容態までは知らないのか?
と言うより、何だその驚き方は。
「えー……そこまで言われて……」
目線が宙へと。
「メディカルルームだよな?!」
「え?! あ、はいっ、そうです!」
「よし、」
「ええ?! 待って下さい!!」
「はぁ?! 何でだよ?!!」
「その、まだ準備……」
「準備?」
ああ、もう何なんだ。
今日のアレルヤはいつもにも増して歯切れの悪さ。
こいつの話なんて聞いてられない。
ロックオンはアレルヤとこんなに騒いでも未だグッスリな刹那を置いて自室を飛び出した。
向かうはメディカルルーム。
あまりにもの混乱で、アレルヤがボロボロと零すボロにさえ気付かずに。
「ティエリア!!!」
ドアの開く速度にさえ待っていられず、半分開いたところで無理やり手を滑り込ませて押し開ける。
まず視界に入ったのはラフな格好をした戦術予報士スメラギ。多分部屋着。
次はトレミーの専属医師、モレノ。
これまたパジャマに白衣と言う、明らかに寝ている最中突然起こされました、と言った格好。
スメラギは入って来たロックオンを見るなり顔を背けた。
モレノも背中をわざわざ向け、小刻みに肩を震わせている。
(ああ、これはもう……)
サー、と。久し振りに感じるこの感覚。
体の中の血液が何処かに流れ落ちて行く感覚。
そして聞こえる電子音。
それはドラマか何かで良く聞く心臓の音。
自分達はまだ使った事のない、治療用のカプセル。
その中には、白い人。
違う、これは包帯だ。
ああ、あの綺麗な紫色の髪の殆どが白い包帯で覆われていて見えない。
全身包帯で、どこを、どう、どの位危ないのか分からない。
「ティエリア……?」
ツー、と、輪郭に沿って冷たい汗が伝った。
「ドクター! ティエリア、どうなってんだよ!!?」
しかし先程同様、背を向け肩を震わせたまま。
「ミス・スメラギ!! どう言う状況なのか説明して下さいよ!!」
彼女までも、俯いて肩を振わせ出した。
数時間前まで、屁理屈を叩いて、怒って、アレルヤを半泣きに追い込んで、
叱ったら拗ねて、ああ、可愛らしい、なんて、笑ったのに。
「ティエ…リア……そんなっ、ティエリア……ティエリアァアアア!!!」
「あぁっ…、私、もう、限界っ…!」
初めて喋ったと思ったら、
「あっはっはっはっは!!!!」
「!!」
それは今まで聞いた事のない位の大声の笑い声。
「み、ミス…スメラギ……?」
不謹慎な! とか、そう言うのじゃなく、これまた頭真っ白に。
「コラ、笑うには少し……ぷぷっ、俺ももう無理だっ! あははははは!!」
なんと二人目、モレノも大声で笑い出す。
は? は?
それ以外考えられなかった。
ティエリア明らかに瀕死状態だし、
何故か周りは自分を指さして笑うし、
突然、ガコン、と大きな音を立ててカプセルの扉が蹴り上げられるし。
蹴り……?
「ふん! ざまあ無いな!! ロックオン・ストラトス!!!」
そう、扉を蹴飛ばしたのは白い足。
包帯だらけの白い足。
「はへ?」
周りの笑い声が一層酷くなる。
ひーひーと、苦しそうに呼吸しつつ笑う声が響く。
目の前にはカプセルの上に仁王立ちするティエリア。
「もう入って来て良いぞ、アレルヤ・ハプティズム!」
はーい……と小さく返事すると中に、ロックオンにティエリアの怪我の件を伝えた張本人が入室する。
「え……? は? ティエリア、怪我は…?」
「何だ、まだ気付かないのか?!
今日は何月何日だ!??」
「え…? えーっと……3月……あ、いや、4月、ついたち……」
「そうだ! 丁度一年前、貴方が僕に性の悪い嘘を吐いた日だ!!」
全身包帯だらけのティエリアが笑ってる。
ロックオンは今、それだけしか考えられなかった。
「ねえアレルヤ、去年彼、何て嘘吐いたの?」
「実は俺ホモなんだって、男のクルー全員に話し掛けたんです」
「わぁ………」
それより、スメラギは知らないでこのティエリアの策に乗ったのか、とアレルヤは思う。
本当にイベント事大好きな人だ。
「うそ、なのか……?」
「ええ、そうですよ?」
「ほんと…なのか……?」
「どうですか、驚いたでしょう! 去年貴方が―――」
言葉は途中で途切れた。
バフン、と音を立てて二人はカプセルの中に再びイン。
「…~っ、何ですか突然!!」
「あっはっは……なぁんだ、嘘か」
ぽろり、
「あー安心した……」
ぽろりぽろり、
「な…!」
何泣いているんですか?!
そうティエリアは叫びたかったが、あまりにも胸が苦しくて言えなかった。
本当に苦しい位、ロックオンが抱き締めてくるから。
「な…泣く事……」
「あー、良かった良かった! マジびびったぜ……、怪我ないんだな?」
「これは、貴方を騙す為にジョイス・モレノに…!」
「ほんっとに、生きてて、良かった………」
ティエリアは何も言えなくなった。
相手は自分の言葉をちゃんと理解しているのか分からないし、
どうやら聞く耳も持たない様だし。
「そ、そんなに、泣かなくても……」
確かに、わざわざモレノに頼んで包帯を巻かせたり、戦術予報士を呼んだりと少しリアルを持たせ過ぎたところはあるが、まさか、こんなにも。
やり過ぎたかも、と。
「実際は顔に怪我してないんだろ?」
上に覆い被さったまま、ティエリアの頬を両手で覆う。
「ええ、演出と言うものです…けど……」
「そうかそうか、」
暴れた所為で少し緩んだ各部の包帯。頭のやり過ぎた包帯も例外ではなく。
その緩んだ間に手を滑り込ませ、ティエリアの頬を何度も摩り、コツン、と自分の額と額をくっ付けた。
ひた、ひた、と擬似的低重力に抗わずティエリアの目に泣く彼の雫が落ちて行く。
「わっ、ちょっと、ロックオン…っ!」
頬に置かれていた手はいつの間にか自分の腰の下にいて、自分を持ち上げ体を隙間なくくっ付けて来る。
「ちょっと……!」
くっ付いた額からスライドして頬擦りに変わる。
「ここの包帯は?」
「だから、嘘です!」
「足は?」
「嘘です!」
「腹は?」
「嘘ですってば!!」
本当に無傷なのかと包帯の中に手が入り込む。
さっきまで就寝していた為彼はいつものグローブ無着用。
彼の、指の腹の指紋を直に感じて体が驚く。
「よかった、本当によかった……」
もう、さっきからこれしか繰り返さない。
何なんだ、何なんだ、何なんだ。
この男はそこまで頭が弱かったか? とティエリアは訳が分からなくなる。
途中までは成功していたのに。
焦って、声を荒げる辺りまでは。
どこでどうズレた。
「くす、ぐったい…んだが…!」
「熱は? 熱はないのか?!」
「ある訳、ないでしょう!」
これは嘘なのだから。
「あぁー、もう、心配させんなよなー」
彼の鼻声なんて初めて聞いた。
ズズ、と鼻を啜る。
酷い顔だった。涙でもう顔がグチャグチャ。
「よかった……よかった………」
何故そんなに泣く。
悔しくて泣くならまだしも、笑いながら泣くとは。
僕が怪我を実はしていなくて、安心して泣いていると言うのか?
そんな、まるで。
「その…、すいません、ロックオン……?」
「あはは、何で謝んだよ、エイプリルフールなんだろ?」
「だって、そんな泣くとは……」
「ほんと、どうすっかなー? 止まんねえや、涙」
「本当に、全部全部嘘ですから、僕はどこも怪我なんてしてませんから、だから……」
「ティエリア……」
「アレルヤ、彼嘘吐いてないんじゃない?」
「え? 何の嘘ですか?」
「ホモ」
スメラギは彼の、いつまでもティエリアの包帯の下を弄る手と覆い被さる体の中枢である脳が詰まった頭を殴った。
後日:
俺ホモなんかじゃありません! 断じてありません!! 強いて言うならティエリアが好きに………あれ?
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≪兄貴はHOMOじゃないよ!≫
≪だってティエリアの性別:ティエリアだもん!!≫
≪モレノさんとノリエが肩を震わせていたのは笑いを堪えていたからです…≫
≪当時拍手して下さった方、ありがとうございました≫