こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです!
見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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6月なったらやろうと思ってたネタです。
イノベさん兄姉は出てきません。
小学生ティエがろくおん兄貴と出会う話です。
やりたかったー。
※学年の関係で年齢差が公式と違います。
---------------------------------------
今日は天気予報が外れた。
「あれ…?」
置き傘が無い。
「…アイツっ!」
犯人なんて直ぐに分かる。
こんな雨じゃ、走って帰る訳にはいかない。
ランドセルの中がグジョグショになってしまい、教科書が台無しだ。
置き傘、運良く持ち帰り忘れ、レインコートを常備。
そんな奴等は俺の横を走り過ぎる。
アイツが俺の置き傘を持って行きさえしなければ俺も勝ち組みなのに。
友達と一緒に入って帰る奴等が羨ましい。
「あ! 傘忘れたの?」
声がして振り返ると近所に住む2つ下のアレルヤ。
「置き傘、アイツに持ってかれた」
「あっはっは! いい様だ!」
同じ顔、双子の弟ハレルヤが俺を笑う。
そんな弟をアレルヤは叱る。
あ、そうだ。
「おい、一緒に傘入れてけよ」
「えー? やだよ、マリーと一緒に入るんだもん」
やはり二人は兄弟だ。
「ハレルヤは……」
「死んでも入れねー!」
ソーマ入れてあげるんだ! とアレルヤは言う。
ああ、成程。この双子ちゃん同士は大変仲が良いんだ。
「じゃあ、家の前通ったら傘持って来いってインターフォン口でいいから伝えてくれ」
「それくらいなら」
その後直ぐにマリーとソーマと合流した彼等は帰って行った。
ああ一人だ。
また一人、また一人と自分と同じ境遇だった筈の子達が返って行く。
門に見えるのは大人の女性のシルエット。
そうだ、母親が迎えに来てるんだ。
「お母さん!」
また一人横を通り過ぎた。
兄や姉の人もいれば、祖父母の人もいれば。
でも、自分は幾ら待っても来ないんだ。
アレルヤとハレルヤ、ちゃんと伝えてくれたかな?
「じゃあ、帰ったら直ぐにリジェネに伝えるからな」
聞き覚えのある声。
横を見ると近所のマンションに住む、1年生の刹那だ。
青色のレインコートを着て帰ろうとしている。
刹那の隣に立つのは見た事のない子。
男か女か分からない中途半端な髪の長さ、中途半端なランドセルの色。
「急がなくていいからな、こけたら痛いもん」
「大丈夫」
両親が他界したから今は母親の知り合いのお姉さんに育てて貰ってるらしい。
自分と似ていて、だから気になって、たまに話をする仲。
「リジェネがいなかったらマリナから傘借りてくる」
「ん、ありがと」
ああ、刹那の友達は俺と今同じ状況下なんだ。
傘を持っていないから、刹那が家族を呼びに行ってくれるのを待つんだ。
刹那に頼むと言う事は近所なのだろうか?
土砂降りの雨を前に刹那がちょっと立ち止まる。
「よお、刹那」
無視するのも変だし、とりあえず挨拶だけ。
「……お前も傘ないのか?」
「大丈夫、アレルヤに頼んだから」
「弟はどうした?」
「その弟に俺の傘を盗られたんだ」
そう、俺の傘を持って行ったのは紛れもなく実の弟。
同じ年数を生きてる筈なのに弟は大分狡賢く育った。
「……」
それから何も言わず刹那は駆けて行く。
そう言う性格だと知ってるから何も言わないが。
横には刹那のお友達。
呼べば「リジェネ」とやらが来てくれるらしい。
大方兄弟だろうと思う。
自分にもいるが、少し羨ましい。他人の家族が欲しくなってしまう。
良く見ればとても珍しい容姿をしていた。
紫色の髪色。特に赤い眼なんて初めて見た。
「?」
バチッと目が合った。
真正面から見たら結構可愛いじゃないか。
「何だ」
可愛い顔に似合わず冷たい口調で一言。
「……あ…いや……」
刹那の友達と言う事は1年生だろう。
5年生の自分は体格差も歴然。なのに臆する事なく俺を睨んでる。
気付くと俺とこの子しかいないじゃないか。
みんなお迎えが来たんだ。
最後の子が親の呼ぶ声で外へ出て行った。
手を繋いで帰る親子がとてつもなく羨ましかった。
チラリと隣を向くとその子もとても詰まんなそう、淋しそうな表情をしていて少し仲間意識が芽生える。
俺もお前も一人きり。
「……刹那のお友達?」
沈黙が嫌いな自分は気付くと自然に口を開いた。
「せっちゃんのお友達?」
同じ質問が返って来た。
可笑しくて笑えた。
「……何で笑う」
「ごめん、刹那のマンションの近所に住んでて、知ってるんだ」
「ふーん」
俺が答えても相手は答えない。
でも近所の子なんだと分かるから別に良いか。
「あ、そうだ。お前の名前は?」
「……ん」
一年生は着用を義務付けられている名札を指差す。
「あ…女の子ね……」
名札はピンク色。そうか、女の子か。
それは失礼した。
「ティエリア…ってのか。外人さん?」
「貴様も名前言え!」
「それは失礼しました。俺はニール」
やっぱり外人だった。
別に今は国際化の時代。珍しい訳ではないがやはりアジア人種が多いから少し嬉しい。
「にー…る?」
こてん、と首を傾げた。
「……かっ!」
可愛い。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
待てよ俺、小1だぞ?!
「ニール」
無駄に名前を呼ぶな。そして俺は年上だ、さん付けしろ。
こんな餓鬼に顔が熱くなる事実が悔しい。
「ひ…とめ……ボれ……」
「ひっとめ、ぼれ?」
違う、これは恋じゃない。
子猫がまるで首を傾げている様に見えるんだ。
「それってなに?」
「し、知らなくていい!」
「目、青色、キレイ……いいな」
「ち、近かい!」
何なんだコイツ。始めに話しかけた時は物凄く睨んだ癖に。
「ニール?」
「ティ…ティエリア……?」
俺の顔をガン見。
違う、目を見てるんだ。
さっき俺の青い目が綺麗とか言っていた。
「お前、面白いな……」
「ニール?」
違う、これはきっと妹に似てるから。
小さい女の子はみんなそんな風に見てしまう。
ああ…気付くと寂いしい筈の心の奥底が、一瞬でもそんな感情を忘れていた。
---------------------------------
≪続きます……【2】≫
イノベさん兄姉は出てきません。
小学生ティエがろくおん兄貴と出会う話です。
やりたかったー。
※学年の関係で年齢差が公式と違います。
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今日は天気予報が外れた。
「あれ…?」
置き傘が無い。
「…アイツっ!」
犯人なんて直ぐに分かる。
こんな雨じゃ、走って帰る訳にはいかない。
ランドセルの中がグジョグショになってしまい、教科書が台無しだ。
置き傘、運良く持ち帰り忘れ、レインコートを常備。
そんな奴等は俺の横を走り過ぎる。
アイツが俺の置き傘を持って行きさえしなければ俺も勝ち組みなのに。
友達と一緒に入って帰る奴等が羨ましい。
「あ! 傘忘れたの?」
声がして振り返ると近所に住む2つ下のアレルヤ。
「置き傘、アイツに持ってかれた」
「あっはっは! いい様だ!」
同じ顔、双子の弟ハレルヤが俺を笑う。
そんな弟をアレルヤは叱る。
あ、そうだ。
「おい、一緒に傘入れてけよ」
「えー? やだよ、マリーと一緒に入るんだもん」
やはり二人は兄弟だ。
「ハレルヤは……」
「死んでも入れねー!」
ソーマ入れてあげるんだ! とアレルヤは言う。
ああ、成程。この双子ちゃん同士は大変仲が良いんだ。
「じゃあ、家の前通ったら傘持って来いってインターフォン口でいいから伝えてくれ」
「それくらいなら」
その後直ぐにマリーとソーマと合流した彼等は帰って行った。
ああ一人だ。
また一人、また一人と自分と同じ境遇だった筈の子達が返って行く。
門に見えるのは大人の女性のシルエット。
そうだ、母親が迎えに来てるんだ。
「お母さん!」
また一人横を通り過ぎた。
兄や姉の人もいれば、祖父母の人もいれば。
でも、自分は幾ら待っても来ないんだ。
アレルヤとハレルヤ、ちゃんと伝えてくれたかな?
「じゃあ、帰ったら直ぐにリジェネに伝えるからな」
聞き覚えのある声。
横を見ると近所のマンションに住む、1年生の刹那だ。
青色のレインコートを着て帰ろうとしている。
刹那の隣に立つのは見た事のない子。
男か女か分からない中途半端な髪の長さ、中途半端なランドセルの色。
「急がなくていいからな、こけたら痛いもん」
「大丈夫」
両親が他界したから今は母親の知り合いのお姉さんに育てて貰ってるらしい。
自分と似ていて、だから気になって、たまに話をする仲。
「リジェネがいなかったらマリナから傘借りてくる」
「ん、ありがと」
ああ、刹那の友達は俺と今同じ状況下なんだ。
傘を持っていないから、刹那が家族を呼びに行ってくれるのを待つんだ。
刹那に頼むと言う事は近所なのだろうか?
土砂降りの雨を前に刹那がちょっと立ち止まる。
「よお、刹那」
無視するのも変だし、とりあえず挨拶だけ。
「……お前も傘ないのか?」
「大丈夫、アレルヤに頼んだから」
「弟はどうした?」
「その弟に俺の傘を盗られたんだ」
そう、俺の傘を持って行ったのは紛れもなく実の弟。
同じ年数を生きてる筈なのに弟は大分狡賢く育った。
「……」
それから何も言わず刹那は駆けて行く。
そう言う性格だと知ってるから何も言わないが。
横には刹那のお友達。
呼べば「リジェネ」とやらが来てくれるらしい。
大方兄弟だろうと思う。
自分にもいるが、少し羨ましい。他人の家族が欲しくなってしまう。
良く見ればとても珍しい容姿をしていた。
紫色の髪色。特に赤い眼なんて初めて見た。
「?」
バチッと目が合った。
真正面から見たら結構可愛いじゃないか。
「何だ」
可愛い顔に似合わず冷たい口調で一言。
「……あ…いや……」
刹那の友達と言う事は1年生だろう。
5年生の自分は体格差も歴然。なのに臆する事なく俺を睨んでる。
気付くと俺とこの子しかいないじゃないか。
みんなお迎えが来たんだ。
最後の子が親の呼ぶ声で外へ出て行った。
手を繋いで帰る親子がとてつもなく羨ましかった。
チラリと隣を向くとその子もとても詰まんなそう、淋しそうな表情をしていて少し仲間意識が芽生える。
俺もお前も一人きり。
「……刹那のお友達?」
沈黙が嫌いな自分は気付くと自然に口を開いた。
「せっちゃんのお友達?」
同じ質問が返って来た。
可笑しくて笑えた。
「……何で笑う」
「ごめん、刹那のマンションの近所に住んでて、知ってるんだ」
「ふーん」
俺が答えても相手は答えない。
でも近所の子なんだと分かるから別に良いか。
「あ、そうだ。お前の名前は?」
「……ん」
一年生は着用を義務付けられている名札を指差す。
「あ…女の子ね……」
名札はピンク色。そうか、女の子か。
それは失礼した。
「ティエリア…ってのか。外人さん?」
「貴様も名前言え!」
「それは失礼しました。俺はニール」
やっぱり外人だった。
別に今は国際化の時代。珍しい訳ではないがやはりアジア人種が多いから少し嬉しい。
「にー…る?」
こてん、と首を傾げた。
「……かっ!」
可愛い。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
待てよ俺、小1だぞ?!
「ニール」
無駄に名前を呼ぶな。そして俺は年上だ、さん付けしろ。
こんな餓鬼に顔が熱くなる事実が悔しい。
「ひ…とめ……ボれ……」
「ひっとめ、ぼれ?」
違う、これは恋じゃない。
子猫がまるで首を傾げている様に見えるんだ。
「それってなに?」
「し、知らなくていい!」
「目、青色、キレイ……いいな」
「ち、近かい!」
何なんだコイツ。始めに話しかけた時は物凄く睨んだ癖に。
「ニール?」
「ティ…ティエリア……?」
俺の顔をガン見。
違う、目を見てるんだ。
さっき俺の青い目が綺麗とか言っていた。
「お前、面白いな……」
「ニール?」
違う、これはきっと妹に似てるから。
小さい女の子はみんなそんな風に見てしまう。
ああ…気付くと寂いしい筈の心の奥底が、一瞬でもそんな感情を忘れていた。
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プロフィール
HN:
兎羽
HP:
性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)
A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。
映画終わってもまだまだ熱いもん!
※別ブログによってHNが違いますが、私です。
A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。
映画終わってもまだまだ熱いもん!
※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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