こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです!
見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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やばいやばい。
セカンドが後15時間で始まってしまう!
始まってしまう前に「やっつけ仕事」。
※以前書いた【D.C.】の続き。
単なる自己満なのでね?
「私は最初に戻ったんだ」
このまま行ったら、どうなるか知っていた筈なのに、
狂わせようとも、変えようともしない。思えない自分。
このまま行ったら、また守れずに失われるのに。
疑問が疑問で返って来る。
どうしてこの非現実を受け入れて、
何も感じずにいられるのだ?
そんなの、自分が一番良く知っているだろうに。と自分自身が語りかけて来るが、分からない。
答えが出ぬまま、着々とシュミレートを重ね、年が過ぎて行く。
「今日だ」
遂にあのミッションが、初めてのミッションが手渡される。
自分は二回目。
寸分の狂いもなく、今日が来た。
記憶通りに俺を演じ切った。
だからだろうか、恐ろしいくらい記憶に準ずる。
その日も、スメラギは私にプランを手渡す。記憶通り。
彼に、ロックオンに手渡して欲しいと。
今なら分かる、なぜ彼女が自分を介して手渡したか。
怖いのだ、自分が練ったプランが。
その恐怖を、今日も酒で薄めるのだろうか。
「分かりました、渡しておきます」
そして、受け取った私は手渡しに行く、展望台で地球を見詰める彼に。
「ロックオン・ストラトス」
記憶通り、彼は地球を見ていた。
振り返る彼に笑顔はない。悟っているのだ、このプラン内容を。
「ミッションプランです」
「…そうか、わざわざありがとな」
私が握ったメモリスティックを引き取ろうとする。
「……?
ティエリア?」
手が、握り締めたまま放さない。
震えるのとは裏腹に、指に力が入る。力の緩め方を忘れてしまったかの様に。
これを渡してしまったら、始まってしまう。
始まってしまう、始まってしまったら。
何なんだ、ずっと大丈夫だったのに。
何も怖くなかったのに。
冷めた脳と、熱くなる脳が溶け合い始める。
溶け合った中間地点で、木霊する。
『気遣い感謝するよ』
さよならも、ありがとうも、何も言えなかった最後の会話。
戦わなくてもいい。戦わないでくれ。
「いやだ」
ティエリア? と彼が首を傾げて聞いて来る。
「いやだ! 行かないで下さい!
私は! 私はっ…!」
メモリスティックを床に叩き付けた。
「行かせない! 私が貴方の分まで……、だから、貴方は…貴方だけは、私がこの手で」
「どうしたんだ、落ち着け! ティエリア!」
ロックオンが肩を掴み、落ち着かせ様としている。
「ふっ、…いやだぁ……」
涙まで出て来た。
可笑しいな、今更泣くなんて。
冷めた脳を熱い脳が侵食して行く。
喰い尽くして行く。
まるで二人の人間が自分を、この状況を解析して来たものが一つになって行く。
違う、境が壊れて行くんだ。
「いかせない、絶対に、いかせない………」
熱した脳が、止まらない。
「ティエ…!」
初めて自分から彼にキスをした。
「いかせない……」
当然ながら、彼は驚いた顔をしていた。
「ティエリア、何で俺が行っちゃいけないんだ?」
てっきり怒られると思ったのに、やはり貴方は優しい、頭を優しく撫でてくれる。
自分を抱きすくめてくれるこの感触は、おんなじ。
「いったら、死んでしまう……」
「死ぬわけないだろ? その為に毎日俺達はシュミレーションを重ねて来たんだろ?」
「違う! 違う………!」
私は絞め殺さんばかりに彼を抱き返す。
脳内だけに止まらず、全身に熱が伝わって行く。
「私は知っているんだ! 貴方が死んでしまう事を!」
「俺が?」
「私が守ると誓ったのに、ニールに誓ったのに……!」
「!!」
本人は気付かない。言ってはいけない事を言ってしまった事を。
本来知りえない守秘内容、本名。
「ティエリア、お前どこで俺の……どこまで知って……!」
そこで言葉は途切れた。
とうとう本格的に泣き始めたから。
「泣くなって、ほら、な?」
「二ー…ル……」
「そりゃ俺だっていつか死ぬさ、でも俺は生きるよ、全て成し遂げるまで」
『だったら、だったら! 成し遂げなくていい!!』
そう叫びたいのに涙の所為で声が出ない。
首を強く振るしかなかった。
「ふぅー」と困ったロックオンは息を吐いた。
それはそうだ。今までシュミレーション以外では殆ど話さない相手なのだから。
多分彼は私に嫌われていると思っているだろう。
しかし私は彼の胸で泣いている。
「落ち着けティエリア、俺達は死にに行くんじゃない、生きる為に行くんだ」
「いいや、貴方は死にに行った。
自分の利き目が見えない状態で狙い撃てる筈がないのに、貴方は行った」
涙が止まらぬまま言う。
鼻声で話すのは初めてだ。
「お前何言って……」
「私は知っているんだ」
行く末を。
滅ぶ私達を。
「それじゃあ、まるで、未来を知ってるみたいな言い方だな」
「そうだ、未来の貴方は私を……守って……」
そうだ、私がいたから。
「どうせ守れないならいっそ」
ヴェーダにも見放され、
貴方に重傷を負わせ、
そして守れずに。
「ティエリア、お前何を知っているんだ? まさか、本当に未来を……」
駄目だ、肩が震えて。頷いている様に見えるだろうか?
「ふうん、じゃあお前の知ってる未来は大層暗いようで」
笑ってみせる。
その笑顔が逆に私を苦しめる。
「…その顔じゃ、壊滅ってとこか?」
「…っ!」
うっかり当ててしまったロックオンが今度は申し訳なさ気に笑う。
「自分でも、何でここにいるか分からない。
あれが夢なのか、これが夢なのかも分からない」
貴方はなんて勘のいい人なんだ。
熱に全身をやられて、自分でも何を言ってるか分からない。
「私は貴方のいない未来なんて考えられない、要らないっ……いらないんだ!」
「ふぅん、俺死ぬんだ」
(そりゃ死ぬ覚悟で入ったさ、ここに)
「お前がここにいるんじゃ、お前が来たって言う時代のお前はどうなってるんだ?」
「…知らない。そもそも、私は死んでいるかもしれない。貴方の元へ行きたい……」
ロックオンは半信半疑だった。
未来から来たなんて、ありえない。
しかし、彼は今自分の事を「私」と呼び、他人を嫌う彼がこうも俺に縋りつく。
そして、ティエリアの話を聞いていると、まるで自分達は愛し合っていた様ではないか。
あえりえない、そんな事。
ああ…でも、この脆さ、いても立ってもいられなくなる。
「貴方を、いかせない、一人じゃ、いかせないっ…」
壊れた人形の様に、それしか頭に浮かばず、それしか考える事が出来ない。
「ティエリア」
「……っ!」
額に柔らかい感触。
ああ、貴方の唇を感じるのは久し振り。
「ええっと、良く分かんないけど……、
もし俺がお前を愛していて、お前も俺を愛していて、…それでもし俺が死んだら、……泣くなとは言わないし、空元気しろとも言わない。
俺を忘れないでくれるなら、それでいい…かな?」
抱き返される体温が、温かくて仕方ない。
「覚えてる、人は歪むが、それに気付ける。貴方が教えてくれた」
そうだ、この体温を感じながら私は学んだ。
「過ちを繰り返す中で、学習していく世界。
人間を、私は知り、なった」
貴方は最期まで私を気付かせてくれる。
そうだ、私は、彼が死んでも変えたかった世界を、託されたのに。
貴方の望む世界じゃないなら、変えられるのは、マイスターである私だけなのに。
「ロックオン、私がもしまだ生きてるのなら、世界を見届けなければならない」
ロックオンは、さっきまで泣いていたのに、急に凛とした声を発した事に驚いた。
「そうか」
見上げた瞳は今まで見た事のない輝き。
赤く燃えていた。
本人としては、当たり前の言ったまでだし、人に頼られるのは嫌いじゃない。
「きっと、私はこれを言いにここに来たんだ」
貴方は初めから、素敵な人でした、一番好きな人間です。
「ありがとう」
何なんだ、この胸を焼かれる感覚。
焼かれてるのに、心地いい。
ロックオンは胸を押さえた。
こんな笑顔、初めて見た。
こんなに綺麗な笑顔。
「そろそろ行こうと思います」
ゆっくいりと体が離れて行く。
久し振りに感じた空気が冷たくて仕方ない。
離れる時に感じた、小さな震え。
「大丈夫です、もう、大丈夫ですから」
震える身を必死で止めようと身体を抱き締めるが、止まらない。
別れるのがこんなにも痛いと、教えてくれたのも貴方。
「くそっ」
幾ら唇を噛み締めても止まらない。
ロックオンは、不安に駆られていた。
未来から来たなんて、実はまだ信じちゃいない。
でも何故だか不安だった。
また泣きそうな彼を見ていられない。
「大丈夫だ、俺が待っていてやる、帰るんだ、お前の生きる時代に」
すると、泣きそうな顔はしたものの、震えが止まった様子のティエリアがこちらを見上げた。
「貴方は本当に優しい人だ」
掛けていた眼鏡を外し、ポケットにしまった。
それが合図の様に、そろそろ別れだと悟った。
こんな非現実的な事を、ロックオンは半信半疑ながらも、
今この自らを「私」と呼び、自分をこうも想う彼とは二度と会えない様な気がした。
その矛盾している違和感を肯定させるものは一つ、未来を知るティエリア。
ロックオンも彼と同じように夢を見ている感覚に陥った。
つまり自分は彼が未来から来たと信じたのだ。
さようなら、ティエリア。
待っている、待っているさ。
誓うよ、この子が恐れる、怖がる未来で、俺がこの子を強くする光になれる様に。
「私は今、ちゃんと笑えていますか?」
「ああ、最高に可愛い」
「また、貴方は…」
ゆっくり瞳を閉じた。
(また……か)
「好きです。ロックオンが」
広がっていく白い世界。完全に白くなる前に言い残しておく事にした。
「好きになるんだろう、これからお前を、きっと」
もう届かないかもしれないが、言っておく事にした。
白みがかった世界が、次第にはっきりと見えてくる。
「何だ、生きてたのか」
貴方のいない世界は、やはり少し嫌いです。
痛みに軋む体は、まだ貴方の体温を覚えていた。
----------------------------
≪これ、音楽の授業の時間に、「ダカーポ」の初めに戻るって意味を知って思いついてスババババですよ≫
≪音楽記号って意外と好きだ≫
≪セカンド、ティエが強く、そしてろくおん兄貴を愛し続けていればそれでいいです≫
セカンドが後15時間で始まってしまう!
始まってしまう前に「やっつけ仕事」。
※以前書いた【D.C.】の続き。
単なる自己満なのでね?
「私は最初に戻ったんだ」
このまま行ったら、どうなるか知っていた筈なのに、
狂わせようとも、変えようともしない。思えない自分。
このまま行ったら、また守れずに失われるのに。
疑問が疑問で返って来る。
どうしてこの非現実を受け入れて、
何も感じずにいられるのだ?
そんなの、自分が一番良く知っているだろうに。と自分自身が語りかけて来るが、分からない。
答えが出ぬまま、着々とシュミレートを重ね、年が過ぎて行く。
「今日だ」
遂にあのミッションが、初めてのミッションが手渡される。
自分は二回目。
寸分の狂いもなく、今日が来た。
記憶通りに俺を演じ切った。
だからだろうか、恐ろしいくらい記憶に準ずる。
その日も、スメラギは私にプランを手渡す。記憶通り。
彼に、ロックオンに手渡して欲しいと。
今なら分かる、なぜ彼女が自分を介して手渡したか。
怖いのだ、自分が練ったプランが。
その恐怖を、今日も酒で薄めるのだろうか。
「分かりました、渡しておきます」
そして、受け取った私は手渡しに行く、展望台で地球を見詰める彼に。
「ロックオン・ストラトス」
記憶通り、彼は地球を見ていた。
振り返る彼に笑顔はない。悟っているのだ、このプラン内容を。
「ミッションプランです」
「…そうか、わざわざありがとな」
私が握ったメモリスティックを引き取ろうとする。
「……?
ティエリア?」
手が、握り締めたまま放さない。
震えるのとは裏腹に、指に力が入る。力の緩め方を忘れてしまったかの様に。
これを渡してしまったら、始まってしまう。
始まってしまう、始まってしまったら。
何なんだ、ずっと大丈夫だったのに。
何も怖くなかったのに。
冷めた脳と、熱くなる脳が溶け合い始める。
溶け合った中間地点で、木霊する。
『気遣い感謝するよ』
さよならも、ありがとうも、何も言えなかった最後の会話。
戦わなくてもいい。戦わないでくれ。
「いやだ」
ティエリア? と彼が首を傾げて聞いて来る。
「いやだ! 行かないで下さい!
私は! 私はっ…!」
メモリスティックを床に叩き付けた。
「行かせない! 私が貴方の分まで……、だから、貴方は…貴方だけは、私がこの手で」
「どうしたんだ、落ち着け! ティエリア!」
ロックオンが肩を掴み、落ち着かせ様としている。
「ふっ、…いやだぁ……」
涙まで出て来た。
可笑しいな、今更泣くなんて。
冷めた脳を熱い脳が侵食して行く。
喰い尽くして行く。
まるで二人の人間が自分を、この状況を解析して来たものが一つになって行く。
違う、境が壊れて行くんだ。
「いかせない、絶対に、いかせない………」
熱した脳が、止まらない。
「ティエ…!」
初めて自分から彼にキスをした。
「いかせない……」
当然ながら、彼は驚いた顔をしていた。
「ティエリア、何で俺が行っちゃいけないんだ?」
てっきり怒られると思ったのに、やはり貴方は優しい、頭を優しく撫でてくれる。
自分を抱きすくめてくれるこの感触は、おんなじ。
「いったら、死んでしまう……」
「死ぬわけないだろ? その為に毎日俺達はシュミレーションを重ねて来たんだろ?」
「違う! 違う………!」
私は絞め殺さんばかりに彼を抱き返す。
脳内だけに止まらず、全身に熱が伝わって行く。
「私は知っているんだ! 貴方が死んでしまう事を!」
「俺が?」
「私が守ると誓ったのに、ニールに誓ったのに……!」
「!!」
本人は気付かない。言ってはいけない事を言ってしまった事を。
本来知りえない守秘内容、本名。
「ティエリア、お前どこで俺の……どこまで知って……!」
そこで言葉は途切れた。
とうとう本格的に泣き始めたから。
「泣くなって、ほら、な?」
「二ー…ル……」
「そりゃ俺だっていつか死ぬさ、でも俺は生きるよ、全て成し遂げるまで」
『だったら、だったら! 成し遂げなくていい!!』
そう叫びたいのに涙の所為で声が出ない。
首を強く振るしかなかった。
「ふぅー」と困ったロックオンは息を吐いた。
それはそうだ。今までシュミレーション以外では殆ど話さない相手なのだから。
多分彼は私に嫌われていると思っているだろう。
しかし私は彼の胸で泣いている。
「落ち着けティエリア、俺達は死にに行くんじゃない、生きる為に行くんだ」
「いいや、貴方は死にに行った。
自分の利き目が見えない状態で狙い撃てる筈がないのに、貴方は行った」
涙が止まらぬまま言う。
鼻声で話すのは初めてだ。
「お前何言って……」
「私は知っているんだ」
行く末を。
滅ぶ私達を。
「それじゃあ、まるで、未来を知ってるみたいな言い方だな」
「そうだ、未来の貴方は私を……守って……」
そうだ、私がいたから。
「どうせ守れないならいっそ」
ヴェーダにも見放され、
貴方に重傷を負わせ、
そして守れずに。
「ティエリア、お前何を知っているんだ? まさか、本当に未来を……」
駄目だ、肩が震えて。頷いている様に見えるだろうか?
「ふうん、じゃあお前の知ってる未来は大層暗いようで」
笑ってみせる。
その笑顔が逆に私を苦しめる。
「…その顔じゃ、壊滅ってとこか?」
「…っ!」
うっかり当ててしまったロックオンが今度は申し訳なさ気に笑う。
「自分でも、何でここにいるか分からない。
あれが夢なのか、これが夢なのかも分からない」
貴方はなんて勘のいい人なんだ。
熱に全身をやられて、自分でも何を言ってるか分からない。
「私は貴方のいない未来なんて考えられない、要らないっ……いらないんだ!」
「ふぅん、俺死ぬんだ」
(そりゃ死ぬ覚悟で入ったさ、ここに)
「お前がここにいるんじゃ、お前が来たって言う時代のお前はどうなってるんだ?」
「…知らない。そもそも、私は死んでいるかもしれない。貴方の元へ行きたい……」
ロックオンは半信半疑だった。
未来から来たなんて、ありえない。
しかし、彼は今自分の事を「私」と呼び、他人を嫌う彼がこうも俺に縋りつく。
そして、ティエリアの話を聞いていると、まるで自分達は愛し合っていた様ではないか。
あえりえない、そんな事。
ああ…でも、この脆さ、いても立ってもいられなくなる。
「貴方を、いかせない、一人じゃ、いかせないっ…」
壊れた人形の様に、それしか頭に浮かばず、それしか考える事が出来ない。
「ティエリア」
「……っ!」
額に柔らかい感触。
ああ、貴方の唇を感じるのは久し振り。
「ええっと、良く分かんないけど……、
もし俺がお前を愛していて、お前も俺を愛していて、…それでもし俺が死んだら、……泣くなとは言わないし、空元気しろとも言わない。
俺を忘れないでくれるなら、それでいい…かな?」
抱き返される体温が、温かくて仕方ない。
「覚えてる、人は歪むが、それに気付ける。貴方が教えてくれた」
そうだ、この体温を感じながら私は学んだ。
「過ちを繰り返す中で、学習していく世界。
人間を、私は知り、なった」
貴方は最期まで私を気付かせてくれる。
そうだ、私は、彼が死んでも変えたかった世界を、託されたのに。
貴方の望む世界じゃないなら、変えられるのは、マイスターである私だけなのに。
「ロックオン、私がもしまだ生きてるのなら、世界を見届けなければならない」
ロックオンは、さっきまで泣いていたのに、急に凛とした声を発した事に驚いた。
「そうか」
見上げた瞳は今まで見た事のない輝き。
赤く燃えていた。
本人としては、当たり前の言ったまでだし、人に頼られるのは嫌いじゃない。
「きっと、私はこれを言いにここに来たんだ」
貴方は初めから、素敵な人でした、一番好きな人間です。
「ありがとう」
何なんだ、この胸を焼かれる感覚。
焼かれてるのに、心地いい。
ロックオンは胸を押さえた。
こんな笑顔、初めて見た。
こんなに綺麗な笑顔。
「そろそろ行こうと思います」
ゆっくいりと体が離れて行く。
久し振りに感じた空気が冷たくて仕方ない。
離れる時に感じた、小さな震え。
「大丈夫です、もう、大丈夫ですから」
震える身を必死で止めようと身体を抱き締めるが、止まらない。
別れるのがこんなにも痛いと、教えてくれたのも貴方。
「くそっ」
幾ら唇を噛み締めても止まらない。
ロックオンは、不安に駆られていた。
未来から来たなんて、実はまだ信じちゃいない。
でも何故だか不安だった。
また泣きそうな彼を見ていられない。
「大丈夫だ、俺が待っていてやる、帰るんだ、お前の生きる時代に」
すると、泣きそうな顔はしたものの、震えが止まった様子のティエリアがこちらを見上げた。
「貴方は本当に優しい人だ」
掛けていた眼鏡を外し、ポケットにしまった。
それが合図の様に、そろそろ別れだと悟った。
こんな非現実的な事を、ロックオンは半信半疑ながらも、
今この自らを「私」と呼び、自分をこうも想う彼とは二度と会えない様な気がした。
その矛盾している違和感を肯定させるものは一つ、未来を知るティエリア。
ロックオンも彼と同じように夢を見ている感覚に陥った。
つまり自分は彼が未来から来たと信じたのだ。
さようなら、ティエリア。
待っている、待っているさ。
誓うよ、この子が恐れる、怖がる未来で、俺がこの子を強くする光になれる様に。
「私は今、ちゃんと笑えていますか?」
「ああ、最高に可愛い」
「また、貴方は…」
ゆっくり瞳を閉じた。
(また……か)
「好きです。ロックオンが」
広がっていく白い世界。完全に白くなる前に言い残しておく事にした。
「好きになるんだろう、これからお前を、きっと」
もう届かないかもしれないが、言っておく事にした。
白みがかった世界が、次第にはっきりと見えてくる。
「何だ、生きてたのか」
貴方のいない世界は、やはり少し嫌いです。
痛みに軋む体は、まだ貴方の体温を覚えていた。
----------------------------
≪これ、音楽の授業の時間に、「ダカーポ」の初めに戻るって意味を知って思いついてスババババですよ≫
≪音楽記号って意外と好きだ≫
≪セカンド、ティエが強く、そしてろくおん兄貴を愛し続けていればそれでいいです≫
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兎羽
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性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)
A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。
映画終わってもまだまだ熱いもん!
※別ブログによってHNが違いますが、私です。
A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。
映画終わってもまだまだ熱いもん!
※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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