忍者ブログ
こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

やばいやばい。
セカンドが後15時間で始まってしまう!

始まってしまう前に「やっつけ仕事」。


※以前書いた【D.C.】の続き。
単なる自己満なのでね?


「私は最初に戻ったんだ」










このまま行ったら、どうなるか知っていた筈なのに、
狂わせようとも、変えようともしない。思えない自分。

このまま行ったら、また守れずに失われるのに。



疑問が疑問で返って来る。


どうしてこの非現実を受け入れて、
何も感じずにいられるのだ?

そんなの、自分が一番良く知っているだろうに。と自分自身が語りかけて来るが、分からない。




答えが出ぬまま、着々とシュミレートを重ね、年が過ぎて行く。











「今日だ」
遂にあのミッションが、初めてのミッションが手渡される。
自分は二回目。



寸分の狂いもなく、今日が来た。
記憶通りに俺を演じ切った。

だからだろうか、恐ろしいくらい記憶に準ずる。




その日も、スメラギは私にプランを手渡す。記憶通り。

彼に、ロックオンに手渡して欲しいと。


今なら分かる、なぜ彼女が自分を介して手渡したか。
怖いのだ、自分が練ったプランが。

その恐怖を、今日も酒で薄めるのだろうか。




「分かりました、渡しておきます」


そして、受け取った私は手渡しに行く、展望台で地球を見詰める彼に。







「ロックオン・ストラトス」

記憶通り、彼は地球を見ていた。
振り返る彼に笑顔はない。悟っているのだ、このプラン内容を。




「ミッションプランです」

「…そうか、わざわざありがとな」



私が握ったメモリスティックを引き取ろうとする。





「……?
ティエリア?」




手が、握り締めたまま放さない。

震えるのとは裏腹に、指に力が入る。力の緩め方を忘れてしまったかの様に。





これを渡してしまったら、始まってしまう。


始まってしまう、始まってしまったら。



何なんだ、ずっと大丈夫だったのに。
何も怖くなかったのに。


冷めた脳と、熱くなる脳が溶け合い始める。


溶け合った中間地点で、木霊する。
『気遣い感謝するよ』

さよならも、ありがとうも、何も言えなかった最後の会話。


戦わなくてもいい。戦わないでくれ。






「いやだ」

ティエリア? と彼が首を傾げて聞いて来る。



「いやだ! 行かないで下さい!
私は! 私はっ…!」


メモリスティックを床に叩き付けた。




「行かせない! 私が貴方の分まで……、だから、貴方は…貴方だけは、私がこの手で」

「どうしたんだ、落ち着け! ティエリア!」



ロックオンが肩を掴み、落ち着かせ様としている。





「ふっ、…いやだぁ……」

涙まで出て来た。
可笑しいな、今更泣くなんて。


冷めた脳を熱い脳が侵食して行く。
喰い尽くして行く。



まるで二人の人間が自分を、この状況を解析して来たものが一つになって行く。
違う、境が壊れて行くんだ。



「いかせない、絶対に、いかせない………」



熱した脳が、止まらない。





「ティエ…!」

初めて自分から彼にキスをした。

「いかせない……」


当然ながら、彼は驚いた顔をしていた。





「ティエリア、何で俺が行っちゃいけないんだ?」

てっきり怒られると思ったのに、やはり貴方は優しい、頭を優しく撫でてくれる。


自分を抱きすくめてくれるこの感触は、おんなじ。






「いったら、死んでしまう……」

「死ぬわけないだろ? その為に毎日俺達はシュミレーションを重ねて来たんだろ?」

「違う! 違う………!」


私は絞め殺さんばかりに彼を抱き返す。



脳内だけに止まらず、全身に熱が伝わって行く。




「私は知っているんだ! 貴方が死んでしまう事を!」

「俺が?」

「私が守ると誓ったのに、ニールに誓ったのに……!」


「!!」



本人は気付かない。言ってはいけない事を言ってしまった事を。
本来知りえない守秘内容、本名。



「ティエリア、お前どこで俺の……どこまで知って……!」


そこで言葉は途切れた。
とうとう本格的に泣き始めたから。




「泣くなって、ほら、な?」

「二ー…ル……」

「そりゃ俺だっていつか死ぬさ、でも俺は生きるよ、全て成し遂げるまで」




『だったら、だったら! 成し遂げなくていい!!』
そう叫びたいのに涙の所為で声が出ない。

首を強く振るしかなかった。




「ふぅー」と困ったロックオンは息を吐いた。


それはそうだ。今までシュミレーション以外では殆ど話さない相手なのだから。

多分彼は私に嫌われていると思っているだろう。
しかし私は彼の胸で泣いている。




「落ち着けティエリア、俺達は死にに行くんじゃない、生きる為に行くんだ」


「いいや、貴方は死にに行った。
自分の利き目が見えない状態で狙い撃てる筈がないのに、貴方は行った」


涙が止まらぬまま言う。
鼻声で話すのは初めてだ。



「お前何言って……」

「私は知っているんだ」


行く末を。
滅ぶ私達を。





「それじゃあ、まるで、未来を知ってるみたいな言い方だな」

「そうだ、未来の貴方は私を……守って……」


そうだ、私がいたから。



「どうせ守れないならいっそ」

ヴェーダにも見放され、
貴方に重傷を負わせ、
そして守れずに。


「ティエリア、お前何を知っているんだ? まさか、本当に未来を……」



駄目だ、肩が震えて。頷いている様に見えるだろうか?


「ふうん、じゃあお前の知ってる未来は大層暗いようで」


笑ってみせる。
その笑顔が逆に私を苦しめる。



「…その顔じゃ、壊滅ってとこか?」

「…っ!」


うっかり当ててしまったロックオンが今度は申し訳なさ気に笑う。







「自分でも、何でここにいるか分からない。
あれが夢なのか、これが夢なのかも分からない」




貴方はなんて勘のいい人なんだ。

熱に全身をやられて、自分でも何を言ってるか分からない。




「私は貴方のいない未来なんて考えられない、要らないっ……いらないんだ!」

「ふぅん、俺死ぬんだ」



(そりゃ死ぬ覚悟で入ったさ、ここに)



「お前がここにいるんじゃ、お前が来たって言う時代のお前はどうなってるんだ?」

「…知らない。そもそも、私は死んでいるかもしれない。貴方の元へ行きたい……」



ロックオンは半信半疑だった。
未来から来たなんて、ありえない。

しかし、彼は今自分の事を「私」と呼び、他人を嫌う彼がこうも俺に縋りつく。




そして、ティエリアの話を聞いていると、まるで自分達は愛し合っていた様ではないか。
あえりえない、そんな事。

ああ…でも、この脆さ、いても立ってもいられなくなる。






「貴方を、いかせない、一人じゃ、いかせないっ…」

壊れた人形の様に、それしか頭に浮かばず、それしか考える事が出来ない。

「ティエリア」

「……っ!」


額に柔らかい感触。
ああ、貴方の唇を感じるのは久し振り。




「ええっと、良く分かんないけど……、
もし俺がお前を愛していて、お前も俺を愛していて、…それでもし俺が死んだら、……泣くなとは言わないし、空元気しろとも言わない。
俺を忘れないでくれるなら、それでいい…かな?」




抱き返される体温が、温かくて仕方ない。




「覚えてる、人は歪むが、それに気付ける。貴方が教えてくれた」



そうだ、この体温を感じながら私は学んだ。



「過ちを繰り返す中で、学習していく世界。
人間を、私は知り、なった」



貴方は最期まで私を気付かせてくれる。

そうだ、私は、彼が死んでも変えたかった世界を、託されたのに。
貴方の望む世界じゃないなら、変えられるのは、マイスターである私だけなのに。




「ロックオン、私がもしまだ生きてるのなら、世界を見届けなければならない」




ロックオンは、さっきまで泣いていたのに、急に凛とした声を発した事に驚いた。




「そうか」

見上げた瞳は今まで見た事のない輝き。
赤く燃えていた。

本人としては、当たり前の言ったまでだし、人に頼られるのは嫌いじゃない。




「きっと、私はこれを言いにここに来たんだ」


貴方は初めから、素敵な人でした、一番好きな人間です。



「ありがとう」



何なんだ、この胸を焼かれる感覚。
焼かれてるのに、心地いい。
ロックオンは胸を押さえた。


こんな笑顔、初めて見た。
こんなに綺麗な笑顔。





「そろそろ行こうと思います」



ゆっくいりと体が離れて行く。
久し振りに感じた空気が冷たくて仕方ない。


離れる時に感じた、小さな震え。


「大丈夫です、もう、大丈夫ですから」

震える身を必死で止めようと身体を抱き締めるが、止まらない。



別れるのがこんなにも痛いと、教えてくれたのも貴方。



「くそっ」

幾ら唇を噛み締めても止まらない。




ロックオンは、不安に駆られていた。
未来から来たなんて、実はまだ信じちゃいない。
でも何故だか不安だった。

また泣きそうな彼を見ていられない。




「大丈夫だ、俺が待っていてやる、帰るんだ、お前の生きる時代に」



すると、泣きそうな顔はしたものの、震えが止まった様子のティエリアがこちらを見上げた。



「貴方は本当に優しい人だ」




掛けていた眼鏡を外し、ポケットにしまった。
それが合図の様に、そろそろ別れだと悟った。



こんな非現実的な事を、ロックオンは半信半疑ながらも、
今この自らを「私」と呼び、自分をこうも想う彼とは二度と会えない様な気がした。

その矛盾している違和感を肯定させるものは一つ、未来を知るティエリア。


ロックオンも彼と同じように夢を見ている感覚に陥った。
つまり自分は彼が未来から来たと信じたのだ。





さようなら、ティエリア。
待っている、待っているさ。

誓うよ、この子が恐れる、怖がる未来で、俺がこの子を強くする光になれる様に。






「私は今、ちゃんと笑えていますか?」

「ああ、最高に可愛い」

「また、貴方は…」



ゆっくり瞳を閉じた。


(また……か)





「好きです。ロックオンが」

広がっていく白い世界。完全に白くなる前に言い残しておく事にした。



「好きになるんだろう、これからお前を、きっと」

もう届かないかもしれないが、言っておく事にした。


























白みがかった世界が、次第にはっきりと見えてくる。


「何だ、生きてたのか」



貴方のいない世界は、やはり少し嫌いです。




痛みに軋む体は、まだ貴方の体温を覚えていた。


----------------------------
≪これ、音楽の授業の時間に、「ダカーポ」の初めに戻るって意味を知って思いついてスババババですよ≫
≪音楽記号って意外と好きだ≫

≪セカンド、ティエが強く、そしてろくおん兄貴を愛し続けていればそれでいいです≫
PR
Comment
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
material by Sky Ruins  /  ACROSS+
忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
参加中
ロク×ティエ=愛!!
参加中です!よろしくね!
プロフィール
HN:
兎羽
性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


※別ブログによってHNが違いますが、私です。
PC用カウンター
twitter
どんな言葉を覚えるのか気になりました。

交流のしなさはご愛敬。
何を覚えるのやら。
此処のブログ経由で知った方ならいつでも友達になりたいです!
ブログ内検索
携帯から