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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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お誕生日おめでとうグラさん!
でもティエ好きな私には縁があまりなかったりする。(←それ言うな



でも祝います。

前書いた【ヤツ】の続きに当たりますので。


やっぱりグラさんの口調、よく分かりません。(ほんとに



「あ」

また会ってしまった。



「確か、グラハム・エーカー……、またアキハバラで会うとは……」

なんて不運だ。


アジア人種には浮く、金髪の髪色、
周りと違うオーラ、
間違い無くあの日会った男だ。


(見つかる前に消えよう)



「君は! ティエリアではないか!!」


奴は強運だ。





【September 10】





「待て! 何故走る!?」

人が邪魔で全速力で走れなかった。


「人さえいなければ逃げ切れたのに……」

「ははは! 奇遇だな! いや、今日この日に再び会えた事はきっと運命だな!」

この、まるで演劇の様な台詞。これが本気だからこの男は変なんだ。




「…そうですね、さようなら」

「まっ待ってくれ! 何故走る!?」


手首をがっしり掴まれた。
流石は軍人。僕の力じゃ振り払えない。

それにしても強く掴んでくる。加減を知らないのか。



「痛い、逃げないから離せ」

「何だ、逃げようとしてたのか。そんなに照れなくてもいいのに」

「……」

オメデタイ頭だ。
ポジティブの代名詞。







「で、何か用でも?」

「実はな、今日は忙しいから外に出掛けてくれとカタギリに頼まれてな」


誰だよ、カタギリって。
そしてこちらの質問は無視された。


「(煩いから)追い出されたって訳ですか?」

「ははは! 聞いて驚け! 今日は私の誕生日なのだ!!」

「で?」

「皆まで言わす気か? いいだろう!
つまり、私の誕生日会のセッティングをしてるのだよ!!!」


オーバーアクション。ミュージカルが如く。



「だから遥々ニホンに来たのだよ!」

「本当に会場設営の為なのですか…?」

「私は隊長だ! 敬われて当り前だ!」

「たい…ちょ……?!」


こいつ、フラッグ隊の隊長だったのか。
そう思うと背中に変な汗が流れる。

あわよくば、人のいない所に連れ出し、消す。



「ティエリアは何をしに此処へ?」

「あ? ……買い物を頼まれてな」


刹那に、ホビー用の塗料を頼まれた。




「もう買ったのか?」

「いえ、まだですが」


しまった。


「ならば私がお供しよう!」

ほらきた。


「けっこ「では行こう!」


再び手首が掴まれた。

「ちょ、ぅあ!」

そのまま歩き出した為足がもつれる。


それでもグイグイ僕を引っ張るこいつは自己中を超えた。




『あれ? 金髪のお兄さん、今日も来たんだ』

『今日は何を買いに来たんだい?』

『グラさん、新しいの仕入れたよ?』



「貴方、どれだけアキハバラに来てるんですか…」

店内に入る度に店員に話しかけられる。



「貴方、軍人でしょう? 休みの日に何をしてるのですか…?」

呆れてしまう。

「では君は何をしてるんだい?」

「それは」


言えない。
ミッションプランの確認。
報告書観覧。
体力作り。


強いて言えるのは「読書」くらい。



「読書? 一体どんな本を?」

どこまでも探ってくる。
下手をして話してしまいそうになる。

だって、相手は包み隠さず素性を、情報を話してくるのだから。



質問を無視して歩き出す僕を奴は追う。






「塗料も買ったし、他に行く所は?」

彼を置いて店から出た僕を追って来た。



「では、腹が空きました。何か食べましょう」


一瞬ポカンとした表情を見せる。
そんな顔もするのか。

さっきから彼が僕を引っ張り回していた為、突然の僕からの誘いに驚いた様だ。


「ここまで来て嫌ですか?」

「…! いや、行こう!」

移動の際は手を繋ぐ癖があるのだろうか?
こっちはもう慣れてきた。




カフェへ来て何を頼むのかと思えばパフェ。
僕はコーヒーだと言うのに。



「君は甘い物が嫌いなのか?」

「嫌いじゃありません。ただ、一日の摂取栄養分が偏るから極力食べないだけで」

「…難しい話をするな、ティエリアは」


「食べ物は身体を維持する為の道具に過ぎない」


言った後、後悔した。
まるで自分の体調管理に気を配る軍人の様ではないか。



「私は、食べ物は私を喜ばせる為にある物だと思っている」

ズイっとクリームが乗ったスプーンを突き付けた。


「それは貴方の味覚に合う物前提でしょう」


この男を見ていると、まるで『世界は自分の為に回っていると思っている』と信じている様に見える。
実際そうなのだろうが。










「そろそろ日も傾いてきた事だ、軍に戻るか」


カフェを出た後、公園の噴水前を歩く。

夕焼けは別れる時間を示す。



遊んでいた子供もいなくなり、人なんてちらほら。



「明日も晴れそうだ」

夕焼けが美しいと空を見上げる彼。

懐に手を入れ、右手に銃の感触を確認する。



フラッグ隊の隊長。
今後、こちらの敵として現れる事はほぼ100%。





(自分の生まれた日に死ねるなんて、何とも区切りが良く、美しく感じないか?)





「君もそう思わないかい? ティエリア?」

「え?」


いきなり振り向いた。
いきなりで腕はまだ懐の中。



「何だ、聞いていなかったのか。明日も晴れそうだと思わないかと聞いたんだ」

金色の髪は黄金色に輝いていた。夕陽の所為。



気が緩んでる今がチャンスなのに、手が引き抜けない。
相手が武器を持っている確率は低い。持っていたとしても引き金を早く引くのは僕。




「ティエリア?」

何も喋らない僕を不審がり、近寄って来る。





(来るな! 来るな! 来るな!!)




また手を伸ばしてくる。
僕の肌に触れようとした時、手は動いた。




「なっ!」

チャリン。


小銭がぶつかり合う音が手の平で響いた。



「おか…ね?」

「……パフェ…代です」

「パフェ? ……一体なぜだ?」

カフェで代金を支払う際、前回同様彼が全額支払った。


「今日は誕生日なんでしょう? だからパフェを奢ります」





僕はもう彼の顔を見ていられなかった。

「ではさようなら」


これ以上彼といたら、彼を殺さなければいけない使命感と、震える手がぶつかり合い、僕でいられなくなりそうで。



振り返り歩き出す。
もう二度と会わないと願う。

もう二度とアキハバラへは来ない。




「また会おう! ありがとうティエリア!!」


馬鹿でかい声で叫ばれた。公園中に響く。



「誕生日おめでとう、グラハム・エーカー」



顔を見せないで祝うのは失礼な様な気がして、振り返って言うと手を振って見送ってくれていた。


人に手を振ったのは初めてだった。








(消せなかった……)


木の影、なぜだか呼吸が苦しくてもたれ掛かっていた。


別れた後の、彼の様子を陰から覗くとなんとあのまま立ち尽くしていた。
手にはお金を握ったまま。



「いたいた! グラハム!」

身長が高い男が彼に話しかけていた。
眼鏡を掛け、男の癖に長いポニーテール。


「ああ…カタギリか……」


あの話しかけ様から見て、友人、もしくは同じ軍人。




「さあ、迎えに来たよ、帰るよ? てか、何だかまた魂抜けてない?」

「カタギリ………そうだ! 漸く準備が出来たようだな!」

「準備?」

「隠さなくてもいい! 今日は私の誕生日パーティーの準備をしていたのだろう?!」


踏ん反り返って言う。
予想はしていたが、誰にでもこの言い方なのか。




「何言ってるの? フラッグの整備中、君ウロチョロして邪魔じゃないか。だからだよ」




「………は?」

「ほら、帰るよ?」











「くくっ、殺さなくてよかった」

こんな愉快なものを見せて貰ったのだから。



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≪よく見ると祝ってもらってない≫
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人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

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