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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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これも番外。前回の番外の後日設定です。

ティエ視点のままです。

趣味と言う訳ではないが、最近日課になっている事がある。





【体温中毒観察者】







「……んぅ」

眠る貴方は、寝返りと同時に声が漏れる。



貴方が俺に抱き付かずに眠る様になり、少し経った後の事だった。
不意に、眠った貴方が寝言を言っているのを聞いて、興味が湧いたのだ。



ずっと俺の胸に顔を埋め眠っていた為、寝顔なんて見た事が無かったのだが、見れる様になったのだ。


俺は子供や赤ん坊が寝ている姿を見た事が無いので断定して言えないが、これがあどけない寝顔と言うのだろうと思った。



今まで見た事のない表情で、初めて見た時は何時間見詰めていただろう。


クルーに話し掛け、楽しげに笑う顔か、
訓練中の真面目な顔か、
顔を歪めて俺に縋る顔か。

この類の顔は初めてで。



飽きない俺。
呼ばれる度に、睡眠時間に支障が出ない限り見詰めている。

今までなら、彼の事なんて関係なく寝ていたのに。



「ふああ……」

欠伸が出た。流石に寝るか。
今日は大した表情の変化が無かったな。

つまらない。
人間観察、もう少し続くと思ったのだが。


彼の表情を見る為に横になり、頬杖を付いていたのだが仰向けに向き直した。
これが一番寝易い体勢なのだ。






「……さ……」

「っ?!」

驚いたが、直ぐに隣の人物の寝言なのだと気付く。
寝言なんて久し振り……と言うより、今まで3回しかない。

人が寝ると言う時に。迷惑極まりないな。



「ぁ……さ………」


掠れた貴方の声。何とも切なげで、聞いた事のない類の声。
これは、何だ?


折角倒した体を再び起こし、顔を覗き込む。
前は、何を言っているか聞き取れなかったが、今回は聞き取れた。



「かあ……さ…ん」


母さん。


そして零れ落ちた、涙。





「……っ」

呼吸が止まった。
息が、吸えない、吐けない。


母さん、母さん。


そう、彼は呼んでいた。




俺は彼の過去を知っている。
俺にはその権利があり、地位がある。


覗き見た彼の過去。
母親とは14の時に死別している。

父親とも、妹とも。


それがこの症状の原因の可能性を秘めているとは推測していた。
精神的外傷……トラウマ、と言うらしい。

その可能性が、今確定した。


母さん。

苦しげに呟く。
汗が流れる。
涙も流れる。


症状は緩和しているのではなかったのか?




「何故泣く……」


悲しい、という感情。
これがそうなのか?



何故、こんなにも苦しいのに、人は夢を見る。
コントロール出来ないのは知っているが、俺は見ない。

見なくても良いと思っているから。
俺は、完璧だからコントロール出来る。



一週間前、最後に寝た時は笑っていたのに。

それが、どうしようもない達成感を生んでいた。
俺が、笑顔に変えた。

俺が、マイスターを戦える様にしている様で。
機体の整備士の様で。




「俺では、もう駄目なのか……?」


症状が緩和したのではなく、俺では満足出来なくなったと言う事か。

確かにある。人間は慣れと言う物がある。
毒だって、与え続ければ耐性が出来る様に。



そもそも、俺は代わりだ。
何を勘違いしているんだ。

応急処置。
ああ、僕は決して解毒剤などではない。




どちらにしろ、俺はもう直ぐ終わりの様だ。
代わりを探してやった方が良いのか…?

……それは良いか、自分の管理位、自分でやるべきだ。





せめて、足しになれば。

貴方に以前、やってあげたら喜んだ頭を撫でる行為。
手袋を外した素手にキスを送り、
俺より体格の良い貴方を抱く事は出来ないから、
せめてと貴方の腕に抱き付く。




「泣かないで………」

その声のか細さと、柔らかさ。
自分で気付く事はなった。





















「ティエリア、ティエリア!」


体を揺すられ、覚醒する。
ぼやけた視界は次第にはっきりと彼の顔を映し出す。


「朝……ですか…」

「おはよう、ティエリア」


貴方より、久し振りに遅く起きた。


「随分と朝から元気ですね」

「何かさ、久し振りに良い夢見てさ」

「良い夢?!」


だって、貴方は昨日、泣いてたじゃないですか。
今は亡き、母親を求めて。


「何驚いてんだよ、俺だって良い夢くらい見るさ」

「そうではなくて……」

「ん?」

















『ニール、』

母親に何故か頭を撫でられて。

『流石あの人の子供ね、ライフルの成績、また上がったって聞いたわよ?』

ご褒美にと、右手を取り、キスを送ってくれた。


遠い記憶。
何歳か忘れた。季節も忘れた。どんな成績を収めたかも忘れた。

母親に褒められた記憶。



『泣かないで』


最後に、泣いてもいない俺に、母親はそう言った。


-------------------------
≪もう一本、4と5の間の番外話、あるんです≫
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兎羽
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只今実家を離れて就職中(東北出身)

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人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

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