こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです!
見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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半分個にした後編です。
微妙なラストだったら申し訳ないです。
リビングのテーブルの上に、色取り取りの紙が並んでいる。
「さ、ティエリアは今の内にドライヤーで髪を乾かしてあげようか」
自分の家じゃないのに、家具の配置を全て知っている様。ドライヤーを置いてある棚から持って来た。
いつもブリングおにいちゃんにして貰っている行為。髪を乾かして貰うのは好きなのに、リボンズは何故だか逃げたくなる。
しかし、嫌だと言う意思表示も出来ない。やっぱり何も言えずに為すがまま。
リジェネと言えば、色取り取りの紙と睨めっこ。
渋い顔をしながらぐるぐる眺めていた。
「リボンズ、僕まだ高一だよ…? 少し早くないかい?」
「早い事に越した事はない。それに君、今の高校だって本当にギリギリになって決めたじゃないか」
「何の話?」
リジェネを見て質問。
しかし、リジェネは苦笑いをして目線を逸らした。
答えたのは柔らかい声。
「大学のパンフレットだよ」
「ぱんふれっと?」
難しい言葉が出た。
「責めてさ、2年生で良くない?」
「駄目だよ、君は何でも面倒臭がる性格だって熟知しているんだから」
ドライヤーの電源を切った。終わった様だ。
直ぐ様立ち上がり、ぱんふれっととやらを見る振りをしてリジェネの隣に腰を下ろす。
違和感を覚えた。
だって、いつも傍に座ると「もっとこっちおいでー!」とギュウギュウにされるから。
今日は何もしない。
更に良く見れば正座だ。
どうしてだ?
ちらり、顔を上げれば目が合う紫の瞳。にっこり笑顔を向けられた。
「…っ!」
不覚にも自らリジェネの腕に抱き付いた。
「ん? ティエリアどうかした?」
ブンブンと首を振る。
「前に渡したのは?」
「……あれー? どうしたっけなー……」
「地球の為にリサイクルした何て言ったら僕ビックリだ」
何の会話か自分は分からない。
今日のリジェネはどうしてこうも自分を見てくれないのか。
目の前の紙を見るばかり。
それもリボンズが持って来た物、基リボンズにリジェネを盗られた気分だ。
「ねぇー、何処も明らかに偏差値高いんだけど?」
「へんさちってなぁに?」
「頭の良さだよ」
答えたのはリボンズ。
「……リジェネ、頭悪いの…?」
「勉強しないだけ。したら凄いんだよね、リジェネ?」
「……はははー…」
リジェネに質問しても返答するのはリボンズばかり。
「よーく考えていいよ。明日も僕休みだから」
「え?!」
「日曜日だし」
「あ……成程」
ああ、悔しい。
いつも「ティエリア、こっち向いて」と必死なリジェネが面白かったのに。
リボンズにばかり、話を振る。
「えー、此処ってアニュー入った大学じゃん。僕無理ー」
「じゃあ、此処は?」
「ブリングの大学じゃん! もっと無理!!」
「………」
つまんない。
「さ、そろそろお口にチャックだ。ね、ティエリア?」
「え?!」
どうして自分に話し掛ける。
「……分かったよ、ある程度絞り込むだけで良い?」
「僕は気が長い方だと自負してるから安心して」
「そりゃどーも」
ビックリした。
リボンズはやはり苦手だ。
リジェネも紙を眺めたまま唸り始める。
こっちにおいでと手が招く。
「………?」
「ティエリア、リジェネお兄ちゃんが考えてる間にお話ししようか?」
「!!!」
お、お話……?
嫌だ。
だって、リボンズおにいちゃんは、何を考えているか変わらないから、
怖い。
あれ? ……怖い?
怖い筈が無い。だって、リボンズは僕を見つけてくれた人。
ぼくは大好きな筈なんだ。
「どう? ご飯美味しい?」
こくりと頷いた。
「そう。それは良かった。何が一番好き?」
「……ハンバーグ」
「ふ、可愛いね」
きた。
可愛いね。
嬉しい筈なのに、ありがとうと上手く微笑めない。
「ティエリア、学校は楽しい? お友達は出来たかい?」
「せっちゃん……、刹那……」
「あー、ブリングが言ってた男の子か。僕嫉妬しちゃうなー、この年でボーイフレンドとか」
「ぼーいふれんど?」
「ごめん、難しい言葉だったかな? 可愛いよ、ティエリア」
何が可愛いんだ?
「ティエリアのお部屋は何処だい?」
「あっち……」
「……って、ブリングの部屋じゃないか。
成程、だからあんな……」
あんな?
「お兄ちゃんと寝てるんだ?」
「うん……」
笑われるだろうか?
小学生にでもなって、誰かと一緒に寝ているだなんて。
口元は笑っているが、目を伏せるリボンズが怒っているのか、笑っているのか分からない。
「あー、駄目だね、僕、独占欲強くて」
「どくせんよ……?
っあ?!」
次の瞬間には体が宙に浮いていた。
「ぁっ……、ぅあっ……」
リボンズを見降ろしている。
だって本人が自分を持ち上げているから。
「リボーンズ、遊ばないでよ」
「決まったのかい? リジェネ?」
「……」
リジェネ、助けてリジェネ!
どうして助けてくれないの? 狡いって言って、いつもみたいにしてよ!
「……ぅ~…」
「ティエリア」
体も洗ってくれたし、髪も乾かしてくれた。
嫌じゃない。でも、嬉しいかと言われたらそれは違う。
相手は間違いなく自分を好いてくれているのに。
リボンズの頬に一粒、二粒、水滴が落ちた。
声を押し殺しているからリジェネは気付いていないが、零れる涙は誤魔化せない。リボンズは困った顔をして名前を呼んだ。
「ティエリア、愛してるよ」
それは一番自分が欲しくて欲しくて堪らなかった言葉。
彼が連れ出してくれた外の世界には、そんな事容易い御用と幾らでも言ってくれる人が沢山いた。
そのまま彼の懐へと降ろされた。
抱き締められたと言った方が正しい。
「可愛いティエリア、大きくなったら僕と結婚しようか?」
何を言われたか理解できなかった。
「ざんねーん、もう先着がいるよ」
目線は紙のまま、リジェネは大きな声で言う。
「あはは、それはショックだなぁ」
その言葉は以前、自分も兄に対して言った。
好きな相手に言えば、ずっと一生隣に居てくれる魔法の約束だと自分は認識していた。
でも、結婚は一人までと決まっている。
それを言った時の兄の顔は何と言えばいいものか。
リジェネは「茹でダコ」と銘打った。
「うーん」
リボンズは少し目を細めて何かを考えている。
「なら、愛人ならいい?」
「あ…い…じ?」
ぱあっと笑う。
初めて聞く言葉じゃない。
前も何処かで聞いた。
「僕等兄弟の体の中には、みんな流れているからね、愛人を平気で演じれる女、そして男の血」
「……リボンズ、幾らティエリアが知らないからって、言っていい事と悪い事が」
珍しく低いリジェネの声に、驚いたのは自分の方だった。
「ごめんリジェネ。でも僕本気だよ?
僕は今日からティエリアの愛人だ」
「ぁい…?」
「そ、あいじん」
「…あいじん?」
「分かった? それだけ覚えていてくれればいいよ」
泣くと、ブリングおにいちゃんは物凄く困った顔をする。
でも、その後ぎゅうって抱き締めてくれる。
でも、リボンズは困りながらも緩く笑っている。
そこが自分は妙で。不思議で。
何かが自分の中でしっくり来なくてリボンズから離れたい衝動に変わる。
「泣かせてごめんね、ティエリア」
鼻先にリボンズの唇が下りる。
ちゅ、と大きな音を立てて離れた。
「ぎゃああああ! 何してんのリボンズ?!!!」
「煩いな、どうせ君もしてるんだろう?」
確かにいつもリジェネに「あいさつ」と言われて良くされる行為。
なのに、リボンズにちゅうされた鼻先がむず痒かった。
「ってかティエリア泣かせてたんだろ?!
君嫌われてるんだよ! 分かるだろ?! 僕も君が正直苦手だよ! 嫌いだね!」
「好きと君から言われても気持ち悪くて昼食べた物、全部吐いちゃうや」
「何だと!?」
「ぼくはっ!」
リジェネがいざ、「嫌い」と自分が抱いているのではないかと思っている感情を言うと、胸が痛んだ。
「ぼくはリボンズが好き!」
二人の顔が同じ。目を見開いて、口をだらしなく開けて。
「あっ……、っぷ、あはははっ、あー、可愛いよーティエリアー」
緩んでいた腕に一気に力が戻る。
「可愛いよ、ありがとう、ティエリア」
「り…りぼ」
「そして、僕にはお兄ちゃんって付けてくれないんだね?」
「あ…」
確かに、咄嗟にだがリジェネ以外にお兄ちゃん・お姉ちゃんと付けないで呼んだのは初めてで自分でも驚いていた。
リジェネに釣られて自分も呼び捨て。
「いいよ、愛人同士だもん。平等で行かなくちゃ、僕の事は呼び捨てで呼んで?」
近い紫色の瞳にまた心が奪われそうになる。
綺麗だもん。
「リボンズ?」
「そう、ティエリア、いい子だね」
自分の髪の毛を掻き分けて、頭の地肌を直に撫でる指の感覚にぶるりと身震いした。
気持ちいいと、擽ったいの中間。
「むふっ?!」
顔を食べられた。
「いやあああああ」
「リジェネ、何て言う悲鳴を上げているんだ?」
「今! 顔食べた! キスじゃない! 酷い!!」
リジェネがするみたいな、口と口をくっ付ける奴じゃない。
口を食べられた。
口の端から、はむっと。
「キスなんて生温い事、出来ないよ」
「ひっどい! 僕だって抑えてるのに!」
「愛人だもんね、僕等?」
リボンズの腕を振り解こうとするリジェネは本当に必死な顔をしていて。
初めて見る表情に呆然と見ていた。
「さ、リジェネ、大学決まった?」
だいがく、その言葉は何の呪文だ?
リジェネが大人しくなり、席に戻る。
「だいがくって、なに?」
答えてくれない。
代わりに鼻を今度は食べられた。
「よし、する事はした。じゃあ、僕は―――」
空は茜色。
ブリングは静かな自宅に違和感を感じた。
「どうしたんだ?」
帰って来た兄の第一声は「ただいま」ではなく「どうしたんだ?」。
テーブルに突っ伏したリジェネ。
「リボンズ来た」
「何だ、大学のパンフレットか」
「うん、でも」
「ん?」
「本当の目的は」
ティエリアに会いに来たんだ。
「ティエリアー、お兄ちゃんに報告してあげなよ。
リボンズとの関係」
「関係?」
ソファーの上でウトウト。
今日は色々と神経を使ったティエリアは今日8時には寝るだろう。
体を起こしたティエリアは兄に手を伸ばしながら言った。
「ぼくとリボンズは“あいじん”なんだって」
ふらーっと、
兄が視界から消えた。
直ぐに聞こえた痛々しい音と同時に、
「やられた!!」
兄に有るまじき大きな声でそう叫んだ。
-------------------------------------------
≪みんな小学一年生の妹に抱いてるんだよ!≫
≪って言いたかっただけ≫
≪リボンズsideもいつかなんて……≫
微妙なラストだったら申し訳ないです。
リビングのテーブルの上に、色取り取りの紙が並んでいる。
「さ、ティエリアは今の内にドライヤーで髪を乾かしてあげようか」
自分の家じゃないのに、家具の配置を全て知っている様。ドライヤーを置いてある棚から持って来た。
いつもブリングおにいちゃんにして貰っている行為。髪を乾かして貰うのは好きなのに、リボンズは何故だか逃げたくなる。
しかし、嫌だと言う意思表示も出来ない。やっぱり何も言えずに為すがまま。
リジェネと言えば、色取り取りの紙と睨めっこ。
渋い顔をしながらぐるぐる眺めていた。
「リボンズ、僕まだ高一だよ…? 少し早くないかい?」
「早い事に越した事はない。それに君、今の高校だって本当にギリギリになって決めたじゃないか」
「何の話?」
リジェネを見て質問。
しかし、リジェネは苦笑いをして目線を逸らした。
答えたのは柔らかい声。
「大学のパンフレットだよ」
「ぱんふれっと?」
難しい言葉が出た。
「責めてさ、2年生で良くない?」
「駄目だよ、君は何でも面倒臭がる性格だって熟知しているんだから」
ドライヤーの電源を切った。終わった様だ。
直ぐ様立ち上がり、ぱんふれっととやらを見る振りをしてリジェネの隣に腰を下ろす。
違和感を覚えた。
だって、いつも傍に座ると「もっとこっちおいでー!」とギュウギュウにされるから。
今日は何もしない。
更に良く見れば正座だ。
どうしてだ?
ちらり、顔を上げれば目が合う紫の瞳。にっこり笑顔を向けられた。
「…っ!」
不覚にも自らリジェネの腕に抱き付いた。
「ん? ティエリアどうかした?」
ブンブンと首を振る。
「前に渡したのは?」
「……あれー? どうしたっけなー……」
「地球の為にリサイクルした何て言ったら僕ビックリだ」
何の会話か自分は分からない。
今日のリジェネはどうしてこうも自分を見てくれないのか。
目の前の紙を見るばかり。
それもリボンズが持って来た物、基リボンズにリジェネを盗られた気分だ。
「ねぇー、何処も明らかに偏差値高いんだけど?」
「へんさちってなぁに?」
「頭の良さだよ」
答えたのはリボンズ。
「……リジェネ、頭悪いの…?」
「勉強しないだけ。したら凄いんだよね、リジェネ?」
「……はははー…」
リジェネに質問しても返答するのはリボンズばかり。
「よーく考えていいよ。明日も僕休みだから」
「え?!」
「日曜日だし」
「あ……成程」
ああ、悔しい。
いつも「ティエリア、こっち向いて」と必死なリジェネが面白かったのに。
リボンズにばかり、話を振る。
「えー、此処ってアニュー入った大学じゃん。僕無理ー」
「じゃあ、此処は?」
「ブリングの大学じゃん! もっと無理!!」
「………」
つまんない。
「さ、そろそろお口にチャックだ。ね、ティエリア?」
「え?!」
どうして自分に話し掛ける。
「……分かったよ、ある程度絞り込むだけで良い?」
「僕は気が長い方だと自負してるから安心して」
「そりゃどーも」
ビックリした。
リボンズはやはり苦手だ。
リジェネも紙を眺めたまま唸り始める。
こっちにおいでと手が招く。
「………?」
「ティエリア、リジェネお兄ちゃんが考えてる間にお話ししようか?」
「!!!」
お、お話……?
嫌だ。
だって、リボンズおにいちゃんは、何を考えているか変わらないから、
怖い。
あれ? ……怖い?
怖い筈が無い。だって、リボンズは僕を見つけてくれた人。
ぼくは大好きな筈なんだ。
「どう? ご飯美味しい?」
こくりと頷いた。
「そう。それは良かった。何が一番好き?」
「……ハンバーグ」
「ふ、可愛いね」
きた。
可愛いね。
嬉しい筈なのに、ありがとうと上手く微笑めない。
「ティエリア、学校は楽しい? お友達は出来たかい?」
「せっちゃん……、刹那……」
「あー、ブリングが言ってた男の子か。僕嫉妬しちゃうなー、この年でボーイフレンドとか」
「ぼーいふれんど?」
「ごめん、難しい言葉だったかな? 可愛いよ、ティエリア」
何が可愛いんだ?
「ティエリアのお部屋は何処だい?」
「あっち……」
「……って、ブリングの部屋じゃないか。
成程、だからあんな……」
あんな?
「お兄ちゃんと寝てるんだ?」
「うん……」
笑われるだろうか?
小学生にでもなって、誰かと一緒に寝ているだなんて。
口元は笑っているが、目を伏せるリボンズが怒っているのか、笑っているのか分からない。
「あー、駄目だね、僕、独占欲強くて」
「どくせんよ……?
っあ?!」
次の瞬間には体が宙に浮いていた。
「ぁっ……、ぅあっ……」
リボンズを見降ろしている。
だって本人が自分を持ち上げているから。
「リボーンズ、遊ばないでよ」
「決まったのかい? リジェネ?」
「……」
リジェネ、助けてリジェネ!
どうして助けてくれないの? 狡いって言って、いつもみたいにしてよ!
「……ぅ~…」
「ティエリア」
体も洗ってくれたし、髪も乾かしてくれた。
嫌じゃない。でも、嬉しいかと言われたらそれは違う。
相手は間違いなく自分を好いてくれているのに。
リボンズの頬に一粒、二粒、水滴が落ちた。
声を押し殺しているからリジェネは気付いていないが、零れる涙は誤魔化せない。リボンズは困った顔をして名前を呼んだ。
「ティエリア、愛してるよ」
それは一番自分が欲しくて欲しくて堪らなかった言葉。
彼が連れ出してくれた外の世界には、そんな事容易い御用と幾らでも言ってくれる人が沢山いた。
そのまま彼の懐へと降ろされた。
抱き締められたと言った方が正しい。
「可愛いティエリア、大きくなったら僕と結婚しようか?」
何を言われたか理解できなかった。
「ざんねーん、もう先着がいるよ」
目線は紙のまま、リジェネは大きな声で言う。
「あはは、それはショックだなぁ」
その言葉は以前、自分も兄に対して言った。
好きな相手に言えば、ずっと一生隣に居てくれる魔法の約束だと自分は認識していた。
でも、結婚は一人までと決まっている。
それを言った時の兄の顔は何と言えばいいものか。
リジェネは「茹でダコ」と銘打った。
「うーん」
リボンズは少し目を細めて何かを考えている。
「なら、愛人ならいい?」
「あ…い…じ?」
ぱあっと笑う。
初めて聞く言葉じゃない。
前も何処かで聞いた。
「僕等兄弟の体の中には、みんな流れているからね、愛人を平気で演じれる女、そして男の血」
「……リボンズ、幾らティエリアが知らないからって、言っていい事と悪い事が」
珍しく低いリジェネの声に、驚いたのは自分の方だった。
「ごめんリジェネ。でも僕本気だよ?
僕は今日からティエリアの愛人だ」
「ぁい…?」
「そ、あいじん」
「…あいじん?」
「分かった? それだけ覚えていてくれればいいよ」
泣くと、ブリングおにいちゃんは物凄く困った顔をする。
でも、その後ぎゅうって抱き締めてくれる。
でも、リボンズは困りながらも緩く笑っている。
そこが自分は妙で。不思議で。
何かが自分の中でしっくり来なくてリボンズから離れたい衝動に変わる。
「泣かせてごめんね、ティエリア」
鼻先にリボンズの唇が下りる。
ちゅ、と大きな音を立てて離れた。
「ぎゃああああ! 何してんのリボンズ?!!!」
「煩いな、どうせ君もしてるんだろう?」
確かにいつもリジェネに「あいさつ」と言われて良くされる行為。
なのに、リボンズにちゅうされた鼻先がむず痒かった。
「ってかティエリア泣かせてたんだろ?!
君嫌われてるんだよ! 分かるだろ?! 僕も君が正直苦手だよ! 嫌いだね!」
「好きと君から言われても気持ち悪くて昼食べた物、全部吐いちゃうや」
「何だと!?」
「ぼくはっ!」
リジェネがいざ、「嫌い」と自分が抱いているのではないかと思っている感情を言うと、胸が痛んだ。
「ぼくはリボンズが好き!」
二人の顔が同じ。目を見開いて、口をだらしなく開けて。
「あっ……、っぷ、あはははっ、あー、可愛いよーティエリアー」
緩んでいた腕に一気に力が戻る。
「可愛いよ、ありがとう、ティエリア」
「り…りぼ」
「そして、僕にはお兄ちゃんって付けてくれないんだね?」
「あ…」
確かに、咄嗟にだがリジェネ以外にお兄ちゃん・お姉ちゃんと付けないで呼んだのは初めてで自分でも驚いていた。
リジェネに釣られて自分も呼び捨て。
「いいよ、愛人同士だもん。平等で行かなくちゃ、僕の事は呼び捨てで呼んで?」
近い紫色の瞳にまた心が奪われそうになる。
綺麗だもん。
「リボンズ?」
「そう、ティエリア、いい子だね」
自分の髪の毛を掻き分けて、頭の地肌を直に撫でる指の感覚にぶるりと身震いした。
気持ちいいと、擽ったいの中間。
「むふっ?!」
顔を食べられた。
「いやあああああ」
「リジェネ、何て言う悲鳴を上げているんだ?」
「今! 顔食べた! キスじゃない! 酷い!!」
リジェネがするみたいな、口と口をくっ付ける奴じゃない。
口を食べられた。
口の端から、はむっと。
「キスなんて生温い事、出来ないよ」
「ひっどい! 僕だって抑えてるのに!」
「愛人だもんね、僕等?」
リボンズの腕を振り解こうとするリジェネは本当に必死な顔をしていて。
初めて見る表情に呆然と見ていた。
「さ、リジェネ、大学決まった?」
だいがく、その言葉は何の呪文だ?
リジェネが大人しくなり、席に戻る。
「だいがくって、なに?」
答えてくれない。
代わりに鼻を今度は食べられた。
「よし、する事はした。じゃあ、僕は―――」
空は茜色。
ブリングは静かな自宅に違和感を感じた。
「どうしたんだ?」
帰って来た兄の第一声は「ただいま」ではなく「どうしたんだ?」。
テーブルに突っ伏したリジェネ。
「リボンズ来た」
「何だ、大学のパンフレットか」
「うん、でも」
「ん?」
「本当の目的は」
ティエリアに会いに来たんだ。
「ティエリアー、お兄ちゃんに報告してあげなよ。
リボンズとの関係」
「関係?」
ソファーの上でウトウト。
今日は色々と神経を使ったティエリアは今日8時には寝るだろう。
体を起こしたティエリアは兄に手を伸ばしながら言った。
「ぼくとリボンズは“あいじん”なんだって」
ふらーっと、
兄が視界から消えた。
直ぐに聞こえた痛々しい音と同時に、
「やられた!!」
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兎羽
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性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)
A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。
映画終わってもまだまだ熱いもん!
※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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映画終わってもまだまだ熱いもん!
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