忍者ブログ
こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いつからほっといたんだろう?
パンツ履かせてなかったから、強制終了せねば!

短いです。

「ねぇ、ニール…?
名前呼んで…下さい……」

「ん? ティエリア?」

「ああっ…」





「なあ、いい加減普通にしてくれねぇ?」

朝から重なり合う影。


ライルはもう限界だった。





【Your Digital fairy
takes only to you.】



「何が?」

「何がって…!」


朝食。テーブルの向いにいる兄は優雅に新聞を読みながらコーヒーを飲む。
その膝の上にはつい先日、ウチにやって来た電子の妖精さんがいた。



「朝から暑苦しいんですけど」

「まだ涼しいだろ。我慢が出来んな、君は」

「………」


兄ではなく、膝の上の妖精さんが答えた。
そうだ、この口調。


「何で兄さんには敬語で、俺はタメ口なんだよ?!」

「上下関係を弁えろ!!」

「じゃあお前の方が明らかに年下だろーが!!」


ティエリアは兄さんに対しては何処までも敬う。いや尊敬と言うより、恋に近い目で見つめる。

しかし、俺に対してはまるで邪魔者扱い。
実際、二人きりで居たい筈だから俺は邪魔なんだろう。



「僕のマザーはニールのみ。君はたまたま双子と言うだけだ」

「俺と兄さんは近所でも有名な位そっくりな双子ちゃんだったんだぜ?! 俺に何も感じない訳?!」

「っは、何を感じればいいんですか?」


鼻で笑われる。




「ティエリア、お口がちょっと悪いぞ?」

と、言いつつも目線は新聞。叱る気ないだろう?
後から俺に言われた時に「言ったろ?」と言い訳するんだ。


「……はい」

それでシュウンとなるんだ、この子は。
騙されやすい性格だ。




彼が来て1週間。

生活が劇的に変わった筈なのに、家の中以外は酷く変わらない。

外の人達はこの非現実的な俺達を知らない。
会社でも普通だし。


強いて言うなら、家の中が少し賑やかになった…と感じる程度。


幾ら生まれた時からずっと一緒の双子ちゃんと言えども、結局は男二人。
兄がこの性格じゃなきゃ、きっと会話がない寂しい生活だ。

更に、年を重ねる毎に少しずつ離れて行く感じがしていた。


兄と比べられるのが嫌いだった俺は小さい頃は極力離れていたが、いざ離れそうになると何故だか自分から兄の服の袖を掴む。

矛盾した自分自身が分からない。


そんな微妙な距離を保っていた兄弟に嵐がやって来た。

兄弟を繋ぐ橋を見事に壊してくれた。



「ってゆうか!
そろそろその服装も止めて欲しいんだけど」

指を刺したのはティエリアの下半身。


「仕方ないだろう。ズボンぶかぶかで履けないんだもん」

「嘘つけ! ならどうしてわざわざブカブカTシャツさせるんだよ?!」

「男の夢だろうが!!」

「気持ち悪ぃよ!」



ティエリアが壊したのは兄が隠していた嗜好…性癖と言うか。

酷くマニアックなのだ。



「…ッ! 貴様!! 良くもニールを馬鹿にしたな!!」

「しょうがないだろ?!」

下着を履かせないでブカTだぜ?!

彼の性格を疑わずにはいられない。



「今日、会社帰りに買いに行くぞ」

「ん、何を?」

「ぱ ん つ !」


顔を赤くしても全然説得力無いぞ、兄。


「……ぱっ…」

「こんな格好させといて赤くなるな。
いつまでもノーパン生活させる訳にも行けないだろう。たまには外にも出た方が良くないか?」

「……まあ、確かに」


家の中にこの一週間ずっと缶詰。
自分だったら頭が可笑しくなる。


「ティエリアとお出かけしてぇー。
こんな美人と街歩いたら俺注目の的じゃん」

「………」

不純を感じる。




「その前にだ」

「ああ、その前にだ」


ティエリアはいきなり二人から見つめられ首を傾げた。


「僕に何か?」



くいくい、とライルは兄を引き寄せティエリアに聞こえない声で尋ねた。



(性別どっちか分かったか?)

(いいや)


この一週間何をしていたんだ。


(毎日一緒に寝てんじゃねぇのかよ)

(それとこれとは話は別だ。見たら俺の何かが壊れる気がするんだ)

(俺の中じゃ結構壊れてんぞ?)

兄像が。


「何をこそこそ言っているんですか…っ!
狡いです…っ、僕を置いてかないで下さい…!」

「あらら、泣くなよ、ティエリア」


ティエリアがもし彼女なら『重い』と思うに違いない。
同じ顔なのに兄と会話する俺を睨むんだ。



兄の首にしがみ付くティエリア。
すると、兄と眼が合い、

今だ、捲れ!

と眼が言っていた。


出来るか!!




「ティエリアはさ、」

直接聞いた方が捲るよりずっとマシだ。


「女の子…? 男の子……?」


振り返るティエリアは突然の質問に俺を睨む暇がない。


「ねぇ、ニールは僕が男だといいですか? 女だといいですか?」

「……は?」

「どっちがいいですか?」


てっきり何て失礼な質問をするんだと怒るものだと思っていた。
これは珍しく兄をおちょくっている様だ。


「別に…、俺はどっちでも……」

「……、では、ライルはどうだ?」

「俺?!」


まさかの俺に質問。
本当に珍しい。


「……男…の方がいいかな…」

兄が過ちを犯さない意味で。



「分かった、では僕は男だ」

「…ティエリア?」


その言い方だと、俺が女と言ったら女だったみたいな言い方だ。



「貴方の携帯電話は雄ですか? 雌ですか?」


やっぱりティエリアは頭が可笑しい。
真顔で聞いてくる。


「携帯に雄も雌もあるか……」


その前に性別を男・女ではなく雄・雌か。


「それと同じです、パソコンにも雄雌はありません」


……!


ニールはピンと来た。



「ティエリア…おま、まさか」

「貴方が男と願うなら僕は男、女と願うなら僕は女です」


ライルも遅れて漸く分かった。
ライルは輝いていく兄の顔を見逃さなかった。



「やややっぱり、おおおお女の子でお願いします!!」

「だっ駄目だ! おお俺は男の子がいいなっ!」

「はぁ?! テメ、何言って…ッ! 絶対女の子!」

「兄さんこそ何言ってんだよ! ティエリアに何する気だっ! 絶対男の子!」



男の子、女の子。
飛び交う男コールと女コール。


「あのっ…?」


ほら見ろ、ティエリア混乱してんじゃんとニールは指を指す。

しかし、弟もこれだけは譲れない。
犯罪を未然に防止する事は、兄を守る事にもなる。


「きょ、兄弟喧嘩は止めて下さいっ…!」

「悪いな、ティエリア。これだけは譲れねぇ…兄の威厳に賭けて!」

「絶対兄関係ないだろう!!」


また蚊帳の外なティエリア。

兄弟の衝突は免れない。
ティエリアの人間に関するデータベースにはそう記載されている。

それでも、睨み合う兄弟をただ見ていられない。


「わ、分かりました! じゃあ僕、両性で行きます!!」

「「……」」


喧嘩がピタリ止まった。


「ティエリア、今何っつった?」

「両性なら、喧嘩しないでしょう?」



ティエリアは零れそうな涙を必死に止めていた。
ああ、ティエリアが泣きそうなのを気付けなかった自分か情けない……ニールは頭を掻いた。


「てか、両性って……」

「ん……」


震える手は自らの服の端を、力を込めて握り締めていた。

その手がゆっくりと、上へ上へ。
おへそが見える程の高さまで。



「「おおおおおおおおお」」


声がユニゾンした。

本来なら、『そんなはしたない事しちゃいけません』なんて叱らなきゃいけないのに。




流石妖精だ。何でもアリだな。

------------------

≪3-2が存在します≫
PR
Comment
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TrackBack
トラックバックURL  :  
material by Sky Ruins  /  ACROSS+
忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
参加中
ロク×ティエ=愛!!
参加中です!よろしくね!
プロフィール
HN:
兎羽
性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


※別ブログによってHNが違いますが、私です。
PC用カウンター
twitter
どんな言葉を覚えるのか気になりました。

交流のしなさはご愛敬。
何を覚えるのやら。
此処のブログ経由で知った方ならいつでも友達になりたいです!
ブログ内検索
携帯から