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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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ゴミ箱行きスレスレなんだけどね。
単純にやりたいだけなんだけどね。
私欲です。

タイトル、直訳して分かる通りです。
ティエリアがDigitalなFairyです。

弟さんがいるので2nd分類。

どうして人間は古い物を捨てたがる。
どうしてそこにロマンを感じない?





【My Digital Fairy】






「うわ、またゴミ拾って来たのかよ兄さん」

「ゴミじゃねーよ」


この前も石油で走る自動車を買って来るとそう言われた。

それより実の兄に帰って来た第一声がそれか。


「アキバでさー、良い穴場見付けちゃってさー!
古いし売れないからタダ同然で買って来たんだよー」

「アキバに通いたいから日本に移住したって言ったら俺、怒るぞ?」


本当に気前の良いじいさんだった。


弟に大きな紙袋を見せつけた。



「止めてくれよ兄さん、オタク臭いよ」

「違う! 単に古いもんにロマンを感じてるだけさ!」

「はいはい、そーですか」

何度目のやり取りか。




「何ソレ?」

「古い型のパソコンかな」


今はどのパソコンにも液晶ディスプレイ何て存在しない。
パネルを叩いて、向こうが透けて見える、どんな原理かも分からないスクリーンに表示される。




「ふーん」

また興味も無さそうに。



「動くの?」

「さあ? やって動かなきゃ中、弄ってみるさ」



今はどの製品もミクロ単位で弄れない。
でも昔のパソコンは、知識がある奴はこぞって自分でカスタムして処理速度を競っていた。

それに自分もロマンを感じる性質で。



生まれた時代が悪かったとか言うと、双子の弟も道連れになるな……。


「さーって、たっぷり可愛がってやるよ」

ペロリと興奮に乾く唇を舐め、古い大きなネジ用のドライバーを取り出した。








「ライルっ! 来い!!」

数時間後、もう深夜になる頃兄に叩き起こされた弟は正直反応したくなかった。


「んだよー…」

「見ろって! パソコン電源入れるぞ!」



居間には大きなパソコンがでーんと少ない生活スペースを更に削る。


「うわ、並べると邪魔だなー」

「うっせえ! そんな事より見てろよー…、電源入れるぞー」


ディスプレイとCPUが離れているのが一番驚いた。



久し振りに大興奮。
こんな旧型のパソコン、今じゃ滅多に手に入らない。
ましてや見た事のない機種だったりする。

それは弄っている時に気がついたのだが。
つまり発売したけど直ぐ廃番されたって事。レアじゃないか。




「スイッチどこ?」

「これ」

丸いボタン。

ポチ、と押すと安っぽいバネの反発を感じた。



「おっ!」


画面が白くなる。


「ブラウン管…だっけ? あー目ぇチカチカする」

「良いじゃねぇか、原始的で。数世紀前までみんなこれ見てたんだぜ?」


正直、ライルは興味がなかったりする。
早く起動してくれ、寝たい。




「………」
「………」

画面は白いまま。


「……あれ?」
「失敗してんじゃん」


おっかしーなぁ、と配線を確認するもちゃんと繋がってるし。新しいのを買って来たから中で切れているとも考えられない。



「古いんだろ? もう修正不可能なんだよ」

「そうなのかなー?」


確かに店のじいさんも自分でも動くか確認した事がないと言っていた。



「何でだろうなー…」

「諦めろよ」


ああ、狸寝入りすれば良かったと弟が寝室へ戻っていくものだから兄は変な火がついた。


「……ふん、有休溜まってるし」


忙しい時期でもないし、駄目な大人と言われようとも明日は動くまでコイツを弄ろうと決めた。

















朝、「呆れた」と一言言って弟は会社へ出勤した。
俺は溜まった有休を使って駄目な大人の休日を。



「…あっちゃー……」


昨日徹夜したのに。
やはり画面は白いまま。
動くには動くんだ。

OS自体が壊れているのか。
流石にOSのデータはそこら辺に転がっていないだろう。

ネットで探そうか……。



「ああ…もう駄目だ」

睡魔が……。
無駄に使ってしまったな……、もし病気した時有休なかったら困るなー……。


気付くと自分に意識はなく、夢を見ない程深く落ちて行った。










「……はへ?」

起きると窓から差し込む光はオレンジ色。
夕方だと直ぐに分かった。

寝てしまったんだ。
明日は会社なのに、不規則になってしまった生活のリズム。


夕方と言っても、空はオレンジから紺色になって来ている。
夜の一歩手前。


徹夜でパソコンを弄った体は常に猫背だった為腰が痛い。
床で寝た為背中も痛い。
目もシバシバする。


「くぁ~…、んー……」

こんな日もあってもいいか。
頭をガシガシ掻きながら上半身を起こした。


「あ」

パソコン点けっぱなし。
電気代で弟に怒られそう。

そして何時間も放置したのに画面は白のまま。

強制終了しようと電源ボタンに手を伸ばした。



一瞬、バチっと画面の白に波線が入り歪む。



「……動いた?」

キイン、と今は聞く事のないメモリの回る音。
白い画面にパソコンの製造会社のマークが映ったのだろうが、画面が古い所為か歪んで何処のマークか、会社名も読めない。


あまりにも突然で茫然と見つめていた。


何て書いてあるのだろう?
細かいほこりで汚れた画面にそっと触れようとする。
少し近づけただけで弱い静電気が自分の指先を刺激した。


バチバチ、と痛くもなく、感じるだけ。



白い画面、指を人差し指、中指、薬指の順で添えて行く。

そのパソコンは不思議だった。
画面はガラスな筈なのにまるで人間のように柔らかくて。液晶と言うやつか?

熱を持った熱いディスプレイに残りの指をくっ付けた後、手の平まで。


ぼーっと、画面に手を添える。
無心でディスプレイを見つめ、きちんと覚醒してないのか目が虚ろになていく。意識を持って行かせそうなる。


「…っ?」


次の瞬間、画面に反射して映っていたと思っていた自分の白い手、その影が指と指の間に絡まった。




「っぃたぁ!」


ホラーを見ている時に感じる恐怖心が出てくる前に、手に強い痺れを感じて違う悲鳴を上げた。

静電気じゃない、痛いくらいの電気が握られた手から感電したのだ。


ビリリリ、とこんな強い静電気は初めてで驚いた。これはもう電流だ。
反射的に手を引くが握った手は離れず付いてくる。



やっと恐怖心が訪れた。


怖い。

まだ俺は夢を見ている? 怖い夢を見ている?
でも痛い。夢は痛さを感じない。

じゃあ現実。


映画で見た事のある光景だ。
怖い。


呼吸が出来なくて、
心臓が飛び上がって、
汗が噴き出て来て、
声も上手く出ない。


兎に角逃げるしか頭にない俺は抜けた腰を引きづりながら後退する。


放さない。手が。

後ろへ下がれば下がるほど離さない手が画面から引きづり出てくる。

デロっと肘まで引きづり出た。



ああ…思い出した………。
日本に来た時、初めてこっちで出来た友人に見せられたホラー映画が、黒髪の女性がテレビから出てくるやつだった。



思い出すと一気に背筋に悪寒が走り鳥肌よりももっと上の冷たい電流が全身を駆けた。



「ぎゃああああああ!!!」


離れろ、消えろ、夢なら覚めろ!


もう涙も出てきた。
必死で掴まれた手を引っ張った。



引っ張った瞬間、人の頭が見えた。


「かわいい」


口から紡いだのは無意識で。
だって、見えた人の頭、顔が不覚にもまるでマンガの世界にいるような少女だったから。


目をつむって、サラサラの髪が宙に舞って。
それが天使に見えたから。


その瞬間も、自分は夢を見ているのかと思った。






がしゃああああん

「ぐぁあああ」

ゴチン

「いったああああ!」



後ろへ勢い良く下がった衝撃で自分の部屋と居間を繋ぐ扉が外れた。
ああ、安いアパートを借りるから未だ引き戸なんだ。


そして今訂正する事がある。
後ろへ勢い良く下がった衝撃と言ったが違った。

俺の胸へ人が飛び込んで来た衝撃だ。



「…あへ?」

体の上に人一人分の重さ。
体が強張った。だって幽霊だろ? お化けだろ?

古いパソコンに住み着いた妖怪だろ?


振り解きたくて手をパソコンの妖怪に宛がる。



むに。

柔らかくて。死体の筈なのに温かくて。


ガクガク震える頭を意を決して下げると嗅覚を襲ったのは甘い香り。

そして見えたのは紫。


「え?!」

幽霊じゃない、足がある。

「ええ?!」

絡まったままの手を引くとガクンと体が右に落ち、冷たい床が素肌に当たる。


「えええええ?!」

素肌?! 全裸?!
日本の幽霊は白い着物を着てるんじゃないの?!



「う……、ぁ?」

つむっていた目が微かに震えた。


瞼の奥に眠っていたのは血の様に赤い目だった。



「かわいい……」

「?」

こてん、と首を傾げた。



「っ…! ああっ…!」

可愛い可愛い可愛い。
冷めた体が熱くなって行くのが分かる。


自分は健全な24歳。まだまだ若い。
いきなり全裸の美人さんが上に寝ていたら恐怖心何て一秒も経たず吹っ飛んだ。


紫色の髪色。真っ白な肌。真っ赤な目。
そして全裸。

目を下に持っていけない。



美人。物凄い美人さんだ。
何で目の前にこんな美人さんがいるんだ?

そうだ、パソコンから出てきたんだ。

いや、パソコンから人が出てくるなんてありえないだろ?!

最近の夢は痛さも感じるのか?




「……貴方が」

喋った。
声が凛としていた。

目が鋭く尖り、俺を睨んでる。それでも俺はドキリときめく。


「起動させたのでしょう?」

起動、とはパソコンの事を大半指す。


「え…、まあ……」

「……あっ…!」


返答した瞬間、鋭かった目が一気に丸くなる。


「あ……、もっと…喋って下さい……」

「は?」

「貴方の…声の周波数……いいです……」


丸かった目が見る見る内にトロンと。頬もピンクになってきた。



「あの…っ」

人だ。完全に人だ。
本来は不法侵入だが、こうも美人さんだと怒れない。
全裸はわいせつ罪?


「ああっ……マザー………」


マザー?! お母さん?!
ぴとり、Tシャツ一枚の俺に抱きつく。素肌の体温が直ぐに伝わって来た。



「え…、あの……君は…?」

「製造番号5番」

「は?」

「型は0988」

「何……、そ」


何ソレ? と聞こうと思ったが、それは見覚えがあった。


弟が呆れて会社へ行った後、昼寝をする前。
意地でも起動させようとCPUをくまなく見てた時、本体の箱のどっかにそんな番号が刻まれたラベルがあった気がする。



「前のマザーは僕の事を『ティエリア・アーデ』と呼んでいました」

ティエリア…アーデ?

ってか『僕』?!
男?!


突っ込み所はそこか、自分。
下を見て確認したいが出来やしない。



「待って! 待ってくれ!!」

「はい?」

「君、まさか、パソコンから……?」

「だって、貴方が起動させたから……」


話が噛み合わない。
俺は中から出て来たのか聞きたいんだ。


「夢?」

「ゆめ?」

「あははー、俺も末期か。何処のギャルゲーよ。
パソコンから全裸の美少女って……」

いや、美少年かも。



「ん……、声……」

「声?」

「いい…もっと……喋って……」

「喋ってって……うあ!??」


体重を掛けて来るものだから後ろへ倒れてしまった。
ギュウギュウに抱き締められて苦しい。

見も知らない美人さん。
ああ……何故だか幸せだ。



「まざぁー……」

マザー…?
マザーコンピュータ?



違う、俺はパソコンの幽霊が見えてるんじゃない。
俺はパソコンの妖精さんが見えるようになったんだ。

-------------

≪2に続きます≫
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只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


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