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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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さっきの続き。
これ、やっと完成した。

正直しんどいわ。ライルの扱いってデリケートゾーンだと思います。



「僕は泳げるが潜れないんだ。この5年間の内にマスターしておけば良かった。
……君は潜れるか?」

「えっと…まあ、一応」

「それは良かった」


にっこり、ティエリアが笑った。


(…うお、これは映える)

キラキラ、太陽の光に反射する海。
その海は彼女のふともも付近までの水位。彼女は一度振り返った。

柄もなく、リボンなんかもなく、本当にまっさらな水着だった。
それが似合うって言う辺り、着てる本人のレベルの高さって奴か。


今日何度目か分らない。
細いなー、白いなー。って思ってしまう。

それはただ細いのではなく、無駄な肉がないんだ。
マイスターさんは要は軍人だ。当然なのだろうか。


振り向いて見えた白髪の彼女も確か軍人だ。
でも、結構良い体。



「…純粋にひんにゅっ……」

「……あっちで一緒に泳いで来たいのか?」


さっきと打って変わって、弱々しい声に驚いて振り返ると何とも悲しそうな顔のティエリア。
口を尖らせて、拗ね顔。

初めてだ、こんな表情俺に見せるのは。


成程、マリーの方を見てたからか。
それは体格を見比べる為で。



「いや、アンタ、白似合うなってさ」

「はい?」

「まるで人魚姫だ。
ほら、潜るんだろ?」


まだ16、7だろうに。変な気使って。
嬉しかった、一緒に潜ろうと誘ってくれて。


手首を掴み、グイっと引っ張ると彼女はいとも簡単によろけた。


「行くぞ、息吸え」

ゴーグルを付けてやると一気に潜る。
海は久し振りだ。

そもそも、アイルランド出身の俺は夏が嫌いなんだ、本当は。
だからいつもの倍、憂鬱だったんだ。

でも、彼女は俺の心境を無視しているのか、気付かないのか。
強引でいてくれて有り難い。




足も付かない深い海に導くと彼女はくるり、仰向けになった。


(ティエリア?)



本当に人魚だった。



血液が逆襲した。
熱い、海の中は冷たい筈なのに。

まずい、バレるかな?
急激に上がっている体温に。


手を放そうにも、ティエリアは強く握っていて。




(変わってない、変わっていません……ロックオン)




ティエリアが握ってない方の手を上にあげた。何かを掴むように。


何かと思い、ライルも上を見上げるとそこにはゆらゆら揺れる海越しの空。
満天の星空とはまた違う美しさ。

暗闇の中で強く光るのではなく、光の中で更に強く光る海面は酷く綺麗だった。


綺麗なんて言葉じゃ、申し訳ない気がする位。



だからティエリアは誰かに頼んでまで見たかったんだ。
この光を。


これを一人で体感するのは勿体ない。
離しかかっていたティエリアの手を握り返した。




(変わってない、変わってない、何も変わってない)

貴方がいなくなった癖に、少しは悲しそうな色になればいいのに。
どうしてあの時と変わらず、そんなに綺麗に輝くんだ。





(ティエリア?)

ティエリアのゴーグルに水が溜まっている。
漏れたのだろうか?



いや、違う。
これは彼女の涙だ。

美しすぎて泣いたのか?
いや、違う。ならもっと嬉しそうに泣く筈だ。



焦らない俺は薄情者だ。
泣くティエリアの顔は、やっぱり人魚姫だもの。

王子と恋叶わず、泣く人魚姫に見えたんだ。




その瞬間だ、
ティエリアが言葉を紡ごうとして、口が動いた。

ああ、その悲しそうな口から、何を言うのだろう。



「ゴポゴポッ!!?」

「!!!」


彼女は人魚じゃない、人間だった。




「ゲホッ! ゲホッ!!」

「馬鹿! 何してんだよ?!」


背中を摩るも噎せるばかり。
塩水は辛いだろうに。


「丘に戻るか?」

しかし、噎せながら首を横に振った。


「も……いっかい……ゲホっ!」


慌てた俺は彼女を抱き抱え、背中を摩っていた。
そんな事にドキドキしている暇なんてなかったから出来た事だが。


「無理すんなって……」

ゴーグルを外してやると、やはり彼女の瞳は潤んでいた。



「どうしたんだ? やな事でも思い出した?」

久し振りに兄貴気分。
泣いていた妹に問いかけるように聞いていた。


「変わってなかった……」

前も潜ったんだろう。周りの話を聞くとそうだ。


「変えた筈なのに、微塵も……。
失った筈なのに、太陽は薄情だ……、ちっとも悲しまない」


変わらず綺麗である事は良い事ではないか?
彼女の感覚がよく分からない。


「やはり海は嫌いだ……、あの人の名前を呼ぶ事も許さない……」


あの人?


(あ、そうか)


あの人が誰だか、不思議と直ぐに分った。

結局それだ。
結局兄さんだ。


俺も結局、彼女に利用されたんだ。
代わりなんだ。代わりにしかなれない。



「……やはり止めておくか…、少し海水を飲みすぎた……気持ち悪い…」

大丈夫か? なんて話しかけれなかった。
気分はどん底。

このまま彼女を置いて帰りたい。


「泳げるか? そうか、泳げるんだよな、潜れないだけで」


支えていた体から離れる。
溺れた彼女をに背を向けて浜辺へ向かう。男としては最悪な行為だな。



「ありがとう」



後ろから声がした。



止めてくれ。
今の俺には痛い言葉でしかない。




「実はな、この時に僕は彼と結ばれたんだ」


………はい?


これは振り返らずを得ないぞ?



「5年前の今日みたいな日に、彼に無理矢理海に潜らされてな。
前々からそうだとは思っていたんだが、イマイチ自信がなくて、カマを駆けたら当たった」


嬉しそうに、でも寂しそうにティエリアは俺の事を見ていた。


「何で…、俺にそれを……?」

俺だからか、俺が弟だから?


「まだ君には話してなかったから。スメラギは知っているだろうし、アレルヤやラッセに刹那辺りも…? かな?」

「それだけ?」

「まあ、確かに得もなく損もない話だが……」


それって、

「俺に何を求めてるんだ?」


俺にどうなって欲しいんだ?
どんな関係を求めてるんだ?


「求める?」


首を傾げるティエリア。俺の頭は停止した。
予想を反したから。


「潜りに誘ったり……」
そんな、兄さんとの関係なんて。


「別に、潜れれば誰でも良かった。
丁度君が暇そうだったら頼んだだけで」



本当にそうなのか?

たまたま俺なのか?
本当に何も思わず俺だったなら、彼女は酷いな。


「すなまい……誰でも良いと言うのは、その……言い方が上手く言えなくて……。
よくスメラギに叱られるんだ、棘があるって。言い回しが悪いな……」


顔に出ていたようだ。

ティエリアは今の「誰でもよかった」と言う部分に怒っていると思ったんだろう。
目を伏せて、ティエリアはゆらり、少し海の潮に流された。


そんな表情を見たら、さっきまでの自分の態度が急に恥ずかしくなってきた。

これから生死をさ迷う仲間に、自分の過去を話したに過ぎないんだろう、彼女からしてみれば。



直ぐに人を疑う。
悪い癖だ。

こんな子供を疑うなんて。

だいぶ自分は性格が歪んで育ったようだ。
ま、あんな境遇だったんだ。大目に見てくれ。




「だ…大丈夫か? 浅瀬まで送るよ」


どうしようかと考えた時、このまま手を引くと、海の水を被ってしまいそうで。
ティエリアをおんぶする事にした。


海の浮力だろうか? ティエリアの体重だろうか、軽かった。



それにしても当たる物がない。
勿論背中に。

当たるのは彼女のあばら骨の感触と水着の布が擦れる感触。
残念ながら『柔らかい物が当たってる』なんて感想はお世辞にも言えない。



(体格は人それぞれ……、うん)


16、7位でその体格じゃ将来は望めないか。

俺ならご免だ。
もうちょっとグラマーじゃないと。

これでよく兄さんは……。


(あれ?!! 兄さんが?!! ティエリアと?!!)



「……どうした? ロックオン?」



(むす…ばれた? え? イチャコラ? ラブラブ? チュウ?)



「ロックオン、暑いのか? 耳が赤いぞ?」



(結ばれたって、告白したって事か? それとも……)


「おい、ロックオン…?」

「う!」


ティエリアの手が俺の頬に触れた。

ティエリアの呼吸する度に動く腹を、何も隔てる物無く感じて。
急に意識し出した俺は何なんだ。


「大丈夫か? お前も気分が悪いのか?」

声を発する度に、喉の振動が俺の体に伝わる。


兄さんもティエリアに触れたのか?


俺、今ティエリアの太ももを掴んでる。
おんぶの為、必然的だが。

柔らかい。


幾ら女性的な体付きをしていないと言ったって、男の体付きと言う訳じゃない。
柔らかいのは確かなんだ。幾らないと言っても、彼女の胸部が……。


「降りた方が良いか…?」


耳のすぐ後ろで声が。
近い、近いよ。

近いというか、ゼロ距離じゃん。

ブルリ、体が震えた。




兄さんが好きなのに、他の男とこうしているのはいけないのではないか?
そう言いたい。


でも、他の男と言っても瓜二つの俺。
でも、ティエリアは俺を全く意識してないし。

今まで散々嫌になってきた筈なのに、これだけは何故か悲しい気分になった。



「気のせい、大丈夫だ」

再び歩き始めた。
この状態で岸に着いた時、周りはどんな目で見るだろうか?

俺は人の恋人奪うような事はしないし、ましてやこの子幾つだ? 俺はロリータコンプレックスじゃない。


(え…? 待てよ、今この容姿で、5年前とかティエリア何歳…?)


12…位?


「犯罪!!?」

「何がです?」


兄さん! もう一ついけない罪を犯していたんだな!!
幾ら武力介入していた身とは言え、それは人として落ちている。


「ティエ…! おま、兄さんと、どこまで…っ?!」


首だけ振り返るとキョトン顔のティエリア。

まさかまさか。
だって、子供は早寝しなきゃ。兄さん、頼む、違うよな。


「言っておくが、」

何ですか?!

「僕は、違うからな……」

声のトーンがさっきと似ていた。
海から上がった時の、くぐもった声。



「貴方は同じ顔なだけで、違う人生、違う生き方をして来たんだ。
一目見た時から、僕は刹那が連れてきた新しいメンバーだと思っていたさ」


あ、そうか。
今、兄さんがどうのこうの言ったからか。

子供にまた気を遣わせてしまったか。


そんなの彼女の態度からヒシヒシ伝わっているさ。
こんなにも無視されると逆に気持ち悪くて。



「それに、君にニールの陰など、僕は求めてはいない。
そこまで僕は君を意識していない。

だって、見れば見る程、君はニールと似ていないんだ」


意識してないって、それはショックだ。
これも彼女の言う言葉の棘? 上手く言えないから?

そして俺は似てないは禁句だ。
能力が似てないとか、もう嫌になるんだ。


「声も似てるようで、微妙に違うし。笑った顔とか、全然似てない!」


え? そっち?
と言いたかった。

そりゃ双子だって、他人は他人だ。生まれた時は同じでも何十年も経てば違うさ。
更に俺達、何年会ってないと思う?




「君と彼を重ねるなんて、反吐が出る。
彼はもっとカッコいい」

「それ、傷つくなー」


兄さん絡みでこんな傷つけ方をされるなんて、初めて。
これは完全に俺を傷つけにかかってる。

容姿とか比べられるなんて。
いつも中身ばっかりだったから。


「おっかしいなー、俺達、親でも間違える位ソックリちゃんだったのに」

「髪型を揃えるからだ。 表情も違うし、仕草も違うし、笑い方も、ご飯の食べ方も、ハロの扱い方だって、似てない」

「そんなに違うか? なら、少しは兄さんに似せた方が良いかな…?」


双子って、必然的に性格が間逆に育つもんなんだ。


「とんでもない! 止めてくれ!」

「うわ! 暴れるな!」

全力で俺を否定した。
俺を止めるようにギュっと首に手を回す。



「てか、初めてだよ」

兄さんに追いつかなくて良いとか。

「冗談。ってか無理」


兄さんと何年会ってないと思う? 二度と会えないし。



「僕の中のニール像は固まっているんだ。下手に君に壊されては困る」

身内の恋バナとか、正直どんな表情をすればいいのか分らない。
ましてや、彼女はそれを失っているんだ。



「それに……、これ以上似たら、ニールに申し訳ない事をしてしまう……」

「へ?」


それって、どう言う意味?


















「ロックオーン! ティエリアー! どうしたのー?」


遠くからアレルヤの声が聞こえた。
ぐったりしたティエリアに気付いたんだろう。


「海水飲んだ……おえ」

「早くパラソルの陰に置いてあげなよ」


また戻ってきた。
この場所へ。


シートの上に寝かせると彼女は顔が青い。



「はい、水飲ませてあげて」

水を手渡したスメラギは特に心配する素振りを見せない。

お、ティエリアから奪ったパーカーを着たまま。
狭くてチャックは閉められないよう。


「ティエリアったら、二人で海に潜りに行ってたなんて。抜け目ないわね~?」


この状況を楽しんでます、この人。
ティエリアもグッタリで言い返せない。


「ほら、ティエリア、水だ」

「ん……、ありがとう……」




「あら?」

スメラギは俺の顔を急に覗き込んだ。

「な…何か?」

「ティエリア、可愛いでしょ?」

「はいい?!」


「スメラギ!!」

ティエリアが怒って、額に当てていたタオルを投げつける。

「からかわないで下さい!!」

「本気よー、いいわねー、若いって」


ティエリアに言った筈なのに、ちらり、俺の方を見る。

いや、俺は貴方と年は大して変わらないんですけど。


やっぱり俺に言ったんだ。
俺に詰め寄り、ティエリアに聞こえない大きさで言う、

「どうせ、水着姿見てティエリアが女の子だって知ったんでしょ?」


顔が熱くなった。
彼女には悪いが、全くその通り。だってさ、一人称『僕』だもん。

身長だって高いし、何より体系が……。
ノーマルスーツだって、男の俺達と同じ作りだし。



「そっくりね~、流石双子」

双子という単語にドキリした。
心臓に悪い。


「って、え?! 兄さんも?!」

そうか、兄さんも勘違いしたか。
そりゃそうだよ。これは双子関係なく、誰でも男と思うだろう。


「えぇ?!」

待って、兄さんはこの日にティエリアと結ばれて、この日に男じゃないと知ったのか?


「ホモかよ!!」

「はあ?」

「ほ…何ですか、ソレ?」


俺の中の兄像が崩れてる。
いや全壊だ。

俺が思ってるより、ダメな大人なのか?

幼いティエリアに手を出して、男同士だと知った上で好意を抱いていた?


「ロックオン…?」

「あ、こっちの話です…」


会わない内に…随分と……。
ティエリアが女でよかった……。


「あ、そう言えば、どうだった? ティエリア。海の中は?」

ピクリ、反応した。
横になっていたティエリアは上半身を起こす。


また緩く笑った。

「最高です。……少し、悲しくなる位……」


どうしてだ。
女だと知って、兄さんとの関係を知って、それから彼女が笑う度にキュンと来るのは。

キュンと来てる辺り、双子だな。好みが同じなのかな?
いや、俺は断じてホモではないが。


認めるよ、俺、ティエリアに落ちかかってる。

でも、落ちる事はないよ。
今でも思ってて、泣く程好きだったのに奪う事は出来ない。


戦いの最中に芽生えた恋。うん、美しい。多分物凄く堅いと思う。
奪うなんて、そんな人でなしな事出来るか。



「あのっ…!」

スメラギに言ったと思ったら俺だ。
ティエリアが、俺を見上げてた。


「明日も潜りたいと言ったら、また引っ張ってくれるか…?」


少し恥ずかしげに、ちょっと頬を染めて。


「え…?」

「……」

そんな目で見上げたら。

「あ…ああ!」

「ありがとう」


ごめんなさい兄さん。
俺、人でなしかもしれない。

------------------------------------

≪ティエは本編で予想以上にライルを意識してなかったと思います≫

≪まあ、私、ちゃんと公式小説読んでないんでどうか…;≫
≪ファーストは泣きながらスラスラ読んだのにな≫

≪ティエの容姿は変わらないとライルさんは知らないので≫
≪それでも犯罪級だよ、見た目16の子にとか≫

≪では今日から拍手文を本格的に……≫
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ロク×ティエ=愛!!
参加中です!よろしくね!
プロフィール
HN:
兎羽
性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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どんな言葉を覚えるのか気になりました。

交流のしなさはご愛敬。
何を覚えるのやら。
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