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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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よく4月入ったばっかりの時期に、「東京では桜が満開です」とかニュースでやってても、テレビは私を騙そうとしてるのではないかと信じてません。


桜ネタです。

本人は桜はゴールデンウィークで見るものだと思ってます。

「ロックオン! 起きて下さい!!
来ました!!」


バチンバチン。
往復ビンタをかますのはティエリア・アーデ。


一瞬「敵が?!」かと思ったが警告アラームも鳴ってないし。
一気に目が覚めたが直ぐに眠気が訪れた。


布団に潜り直しながら、

「何が来たんだ? 敵さんか?」

折角敷き直した駆け毛布を勢いよく引き剥がされた。冷気で寒い。
頼む、後5分。


「サクラ前線が」


今日は日本に行く事が決定した。




【サクラ前線に乗って】





「開けろ! 刹那・F・セイエイ!!」

「アポ無しで来たのにその言い方はないでしょ…」


早朝、刹那の眠る仮住まいの扉を激しく叩く。

俺もビンタじゃなくてドアを激しく叩いて欲しかったな。



「…あ、ティエリア」

寝癖たっぷり、口からよだれの痕、目がいつもより7割細い寝起きの刹那が顔を出す。


「レジャーシートを貸せ」


「おはよう」も「こんな早くからご免」もなく、用件だけを唐突に伝えた。

そんな言葉足らずじゃ刹那は動かない。
現に寝起きの彼は頭が働かず首を傾げた。


「ティエリアがお花見すんだとさ……、だから貸してくれって」

「ない」

即答だ。


確かにある筈が無い。


「なら買いに行け」

命令口調。
「なら買いに行くか」じゃなくて「買いに行け」。


「こんな時間に開いてる店は無い」

それはそうだ。


「じゃあガンダムで買いに行って来い。昼間の国に飛べば良いだろう?」

操縦出来るのは貴方も同じです、ティエリアさん。


「お前が行けば良いだろう…」

そりゃそうだ。思うよな。


「作戦以外でガンダムに乗れるんだぞ?」

「ホントか?!」

子供の目が輝く。
ああ、騙されちゃいけない刹那。俺達も私情でガンダム使って大気圏越えて来たんだ。


横を走り過ぎて行く刹那を見送るティエリアの顔の悪いこと悪いこと。

叱らなきゃ。


「ティエリア……」

「何いつまでも突っ立ってるんですか?」

今度はズカズカと開けっ放しの家の中に入って行く。


「良いのか? 勝手に入って?」

「食べ物を探す」

まあ悪い子。
花見は飲んで食べてが定番だと言う。


「ティエリア、お前いい加減にしないとお兄ちゃん怒っちゃいますよ?」

「何を怒る事がある? この家の物全てCBの支給品だ。
刹那の物はCBの物、CBの物は僕の物だ」


何て可愛らしいガキ大将だ。
あまりにも堂々と言うものだから、俺の考えの方が間違っているのではないかと思ってしまう。



「っち、何も無い」

人の家漁っといて舌打ちとは。

冷蔵庫をパタンと閉めると、さっきまで刹那が寝ていた寝室にいる俺の所に来た。


「何してるんですか?」
「いや、着替え畳んでる……」

布団も着替えもグシャグシャ。

「貴方は主婦ですか? そんな貴方には最適だ、食べ物を買って来て下さい」


俺も遂にお前のパシリか。

「いい加減に自分で行けよ、自分から花見行きたいって言ったんだろ?」

「………」

ムスッとした顔。
可愛くて「仕方ないな~」と行きたい所だが此処はこの子を想って。


「ティエリア……おま」

あれ? もし仮にこの子をお使いに送ったら、何を買ってくる?

外見未成年だからお酒は駄目だ。
偏食かつ好き嫌いが激しいコイツが相手を想って自分達の好きな物を買ってきて来るか?


「俺が行く」


また甘やかしてしまった……。









「酒につまみですか」

明らかに嬉しくないと言った表情。

「なら自分で行けよ」

「……仕方ない。花見へ行く」


何処で見つけたのかティエリアは此処の家の鍵を持っていた。


「刹那は?」

「そのまま場所取りに行かせた」

どこまでもコキを使う。
指揮官としては優秀だが協調性はゼロ。


早朝、平日。
まだ6時だもの、擦れ違うのは早朝出勤のサラリーマンとランニングをしている人。


「うひゃー、満開だ」

見えて来た桜並木、枝が見えない程のピンクの花。


「………っ」

ティエリアの目が見開いた。
無意識の表情の変化。珍しいなんて桜じゃなくてティエリアを見てしまう。


徐々に早歩きになり、夢中で前を見ない子供の様。
ピンクに頬を染めて何処までも続きそうな桜を追いかけて行く。


「ティエリアー、上ばっか見てるとコケるぞー?」

「ふぎゃ!」

言うと転ぶ。


「あーあ」
可愛い声でこける事で。

地面に突っ伏したまま動かない。
起き上がらない体を起こし、砂埃を落とすも視線は上。


「桜、好きか?」


気を付けろと叱ろうかと思ったが、こんなにも夢中じゃ叱るに叱れない。


「ソメイヨシノは品種改良のたま物なんです」


転んだまま豆知識を披露されても。


「…俺から見れば全部同じに見えるんだけどなぁー……」


怒った。俺を睨んでる。
プイッとそっぽを向くと立ち上がりズカズカまた歩き出した。

何も言わないがあれは結構頭に来てる。
ティエリアはそこまで桜が好きだったなんてちょっと意外だ。


確かに俺を叩き起こす位だ。相当好きなんだ。



「ティエリア、刹那こっち」

止まらない足を止めた。このままじゃ公園を通り過ぎてしまう。






「貴様! 誰が子供用を買って来いと言った!!?」

「ガンダム…描いてある……」

小学生が遠足で使うタイプのレジャーシート。
刹那が座っている時点で半分埋まってる。


「自分で行かないからこうなるんだぞティエリア」

膨らむほっぺ。


「ってか、俺たち以外いねぇじゃん」

「当たり前だ、まだ7時だ」


刹那が体育座りでちょこんと。


「ご苦労だった。もう帰って良いぞ」


これには本当に驚いた。


「ティエリア?! お前何言って…!」


冗談は言わない。


「ご飯……腹減った」

自分が持つビニール袋を指さす。

ほらほら、眉間に皺が。
これは「自分で勝手に買いに行け」と言おうとしてる。朝食も食わずに行かせておいて、アンタは鬼だ。


「じゃあ俺はご飯係か。あーあ、酷いなティエリアは。
帰るか刹那?」


「ええっ?!」


意地悪してみると予想通りの反応。
薄々気付いてたけど、俺が好きだな。


「さーて、行くか刹那ぁー」

臭い演技でも気付かない。


ひょいと肩を組むとティエリアがいつもキュッと閉まっている口が半開き。

可愛い子ほど虐めたくなる心理がよく理解できた。



刹那は何も返さず俺に身を流されるまま。

出口へ向かって歩き出すとティエリアが半歩足を出した音が聞こえた。
でもどうして良いか分からないんだろ?

素直に「ごめんなさい」が言えない性格なんだろう?
泣き出したら「今度から我が儘言わないな?」って約束して丸く収めるんだ。


「ロックオン!!」

「ぐぇ……」

大声で呼ばれ、振りかえようと思う前に背後から首を絞められた。

正確には俺の腰に抱きつけば良い話なのだが、只今刹那が邪魔で隙間が無い為首に来たんだ。



「……ろっく………」

そんな消えそうな声で。

無理やり首を回すと涙目のティエリア。
まだ泣いてはないないか。


と言うよりも、泣かせようとしている俺は大分サディストなのかもしれない。
だって、泣いた顔が可愛いんだもの。



「S」

ギョッとして隣を見ると、とても荒んだ目で自分を見ていた。
思ったより大人なんだな。


「そう言うなよ刹那……。
あー、また俺の負けだぁ!!」

振り返り小学生用レジャーシートが敷かれた桜の木の下へ戻る。


「ティエリア…離してくれないか…?」

首に絡みついたままのティエリア。ズリズリ引き摺る。
首が大分締まって苦しいんですけど。



「って言うか誰もいないし、下も草生えてるし、直に座っても汚れないだろ?」

ドカリ座って見せるも潔癖症な彼は無視してレジャーシートの上へ。
可愛いけど可愛くない奴。

一緒に戻って来た刹那もガンダム大好きっ子、当然レジャーシートの上へ。


「お前等、お兄さんの事嫌いか…?」


「いいえ、好きすけど」
「じゃあ嫌い」

じゃあって何だよ刹那。
ティエリア、「ごめんなさい」は素直に言えない癖にそこは言えるんだ。

やっぱり俺が好きでしたか。


「かぁわいいの」

主語が無い今の発言にティエリア本人は首を傾げた。
刹那、また大人をそんな目で見て。



「はいじゃあ朝ご飯」

コンビニで買って来たおにぎりにサンドイッチに。
もひもひ食べる子供二人を見ていると本当に遠足に来たみたいだ。


「美味しいか?」

「売れる様に美味しく作っているに決まっているでしょう」

「うわー、可愛くない答えー」


別に可愛くあろうなんて思ってません、とそっぽを向いた。


無人の公園に風が吹く度に気持ち良く感じる。
人は多い方が好きだと思っていたが。酒の力か。



この二人と気の利いた会話なんて必要ないし、出来ないし。


傍から見たら俺達は無職だろうな。
これから通学する子供達の声と、通勤する車の音で煩くなるんだろう。

柄にもなくセンチメンタル。
振り返れば永遠と続いてそうな桜の木達。



「ロックオン」

刹那に呼ばれハッとした。
何だ? と振り返るとさっきまでおにぎりに噛り付いてたアイツがいない。


「ティエリアは?」

「ふふっ、さあな?」


辺りを見渡すもいない。
一人で帰る筈もないし。


本当に何処に行ったんだ、探そうと立ち上がると「パキ」。


ぱき?

ヒラリヒラリ風なんて吹かなかったのに花弁が落ちてくる。



「時間切れです!」


上から声。
成すがままに上を見ると居た。


「ティエリア! 危ないだろう?! 下りてきなさい!」

「貴方の負けです。ゴミ捨ては貴方担当に決定しました」


桜の枝にティエリアがいた。仁王立ち。
腕を組んでいるではないか、大したバランス感覚。
流石マイスター、木登りがお得意なんですね。


「それよりも、落ちたらどうするんだ!?」

「マイスターが落ちる訳ありません」


次の瞬間にはティエリアが宙に浮いていた。


「ぐあああ」

「何です、マイスターなら受け止めて下さいよ」


今ので内臓確実に破裂した。
予告なしに降って来るものだもの、下敷きになって受け止めるしかないだろう。

俺の上で踏ん反り返っている。怪我はないようで。
寧ろ俺にありそうで。


出来れば俺の上に跨るなら違うシチュエーションでお願いしたい。


「ちょっと…幸せ、かも」

「は?」

ティエリアの軟らかい事軟らかい事。…オヤジ臭いか?



「内臓破裂したかも……」

「血を吐かない所を見るとそれはありません」

「あばら骨折れてるかも……」

「……怒りますよ?」

怒るのは俺の立場だ。



「分からなかったでしょう?」

「何が?」

「僕が木の上にいる事」


辺りを見渡したが、確かに見つからなかった。

俺を騙せた事が嬉しいのか、珍しく笑顔に見える。
ふふん、と鼻を鳴らすと立ち上がった。

例え内臓破裂してなくても、骨が折れて無くても痛い物は痛い。
腹を擦った。





「バレなかっただろ…?」

「ああ、案外頭が悪いな」


子供二人が大人を騙して笑ってる。
見下ろす刹那の目つきと来たら。



「ティエリアの服は保護色だからな」

「だからか……撃つぞ刹那・F・セイエイ……」

ジリジリと睨みあう子供達。


「はー…成程」
確かに、ピンクのカーディガン。紫の髪に赤い目も色相が近いし。
ズボンも幹の色に近いし。

ティエリアは桜色で固められてたんだ。
さっき見渡した時見付からない訳だ。


「まるで桜に化ける為に着て来た服装だな…ああ、いつもか」

「貴様…! ロックオンを騙すとか言って、結局僕を馬鹿にしたかっただけだったんだな!!」

最近、まるで歳の近い兄弟の様にじゃれあいの喧嘩をする。
微笑ましい事だが、俺の事を忘れていてちょっと悲しい。


「てか俺、ゴミ捨て当番になったんだっけ…」

案外あの子は狡賢い。


それよりアンサータイム、短くない?



あー、それにしても可愛かった。俺を見下ろすティエリア。

背景桜で服も桜で。



「お、頭にも桜」

怒るあの子を見ると頭に花弁が。


「ひゃあ!」

「何て声上げてんだ」


頭の上の花弁を取ってあげただけなのに。


びっくりしてしゃがみ込んでしまった。
頭を押さえて、まるで俺が虐めた後みたいじゃないか。



「ほら、色一緒で分かりにくいけどカーディガンにも付いてるぞ?」


親切と無知を装って。


「…っ」

しゃがみ込んだまま、顔を上げようとしない。


視線を感じて見上げると、刹那がまたまた大人を蔑む目で見てる。


『くうきよめ、ふたりきりにさせろ』

目で送る。


ッチ。
最近の子供は不満があると直ぐ舌打ちをする。


残りの食べ物が入ったコンビニ袋をお土産に帰って行った。



おしおし、良い子。




「ティエリア?」

動かない彼は耳まで真っ赤。
だから顔を上げれないでいる。

大胆なんだか、奥手なんだか。



「桜、好きなんだもんな」

「……好きで悪いですか…?」

「だから無意識の内にピンクのカーディガンとか着ちゃうんだろうな」


あ、成程。とティエリアがパッと顔を上げた。


「深層心理……、貴方は凄いですね……」


赤くなったり戻ったり、顔の表情が忙しい。
もう一度赤くなって欲しいな、


「じゃあ、来年もまた、こうして来ような?」


これから先どうなるか、生きているか死んでいるかも分からないが。


するとティエリアはキョトン顔。あれ? 嬉しくないの?


「何を言ってるんです、東北はまだ蕾です」

さも当たり前に言う。


「え? …は?」

「明日はもう少し北へ行こう」


携帯端末を取り出すと俺に見せたのは開花予報の情報。



「ま…毎日ですか…?」

「嫌なのですか?」

眉を悲しげに八の字にさせた。

端末を見ると、最後の桜は5月ではないか。
まだ1ヶ月ある。



「あー、仕方ねぇなー」

「ほっ、ホントですか?!」


こう言う時、ポーカーフェイスを身に付けておくと得だ。心の中じゃ躍ってる。


つまり、1ヶ月近く一緒にいて下さいって事だろう?

1ヶ月もあれば、物凄い進展があるに決まってる。


「これから1ヶ月、紛争が起きない事を願います!」

平和を願う理由と来たら。
私事過ぎるだろう。


嬉しいのだろう、抑え切れないのかクスクス笑う。

彼はポーカーフェイスを気取ってるんじゃなくて、単純に笑う機会が無かっただけ。今気付いた。
コイツほど自分の感情に準ずる奴はいない。



「なあ、ティエリア?」

「はい?」

「俺は1ヶ月間、タダ働きなんて嫌だぜ…?」

報酬を前払いして貰おう。



「何です? 僕の顔にまだ桜が付いてるのですか?」


違う、違うんだ。


「んー? そうだなー……、ここ、ら辺かなぁー…?」

軟らかいだろうな、ティエリアの桜色のー…、




ピロピロリン。




「!!!」

聞き覚えのある音は携帯電話で写真を撮る時などで良く聞くアレ。音源は上から。


「んな!」


ギギギ、とティエリアの時と同じように枝が悲鳴を上げていた。
刹那がティエリア同様、枝の上にいる。



「あっ! 餓鬼!! 刹那、お前いつからそんな悪い子になった」

「貴様は保護色じゃないから直ぐに分かるぞ! 頭が悪い!!」

「今のは関係ないだろ!!」


コイツは何処かずれてないか?


ひょいっと飛び降りた刹那はピピピと端末を弄る。



見られた。撮られた。
後もう少しでティエリアの桜色唇、奪えたのに。

今のタイミングしかないだろう、帰れと言っただろう。
お前だって見てれば分かるだろう、俺達相思相愛だったんだって。


そんな事をよりだ、
コイツはきっと何かを要求するに違いない。



「今のどうするつもりだ……?」

「これからどうするつもりだ?」


質問したつもりなのに。



……そりゃあ、ご希望に答えて桜前線に乗って北上するつもりです。


「……安心しろ、俺は付いて行かない」

「良い子だっ! 刹那ぁ!!」


出来る子だ刹那!
ティエリアと一緒にピンクを追いかけて飛び立とうと思います。


「危なかったな、ティエリア」

「何の話だ?」

頼むから誰にもチクらないで下さい。
残りのおにぎり全部あげるから。





ぴぴぴぴぴ

刹那の端末に通信が入る。


『ひどいよおおおお!』


通信を繋げるなり響いたのは悲鳴に近い喚き声。


一人ハブってしまっていた事に今気付いた。



俺と二人きりで桜前線を追いかけたい桜色のその子は、
『煩い』
の一言で通信を切った。

---------------------------
≪実際、桜と一緒に北上する人いると思う。お金持ちめ≫

≪昼、親から「今日雪降った」と電話がきてマジかあはは~ってしてたら夕方こっちも雪降ってました≫
≪弘前公園はそんなに有名なのですか? あそこって、県外か県内の人か一聞きで分かるよ≫
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プロフィール
HN:
兎羽
性別:
女性
職業:
実家に帰りたい盛り
趣味:
見ての通り
自己紹介:
只今実家を離れて就職中(東北出身)

A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


※別ブログによってHNが違いますが、私です。
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