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こちら「ガンダム00」に心奪われたブログです! 見にくいですが勘弁!愛は本物です。基本、自己満足なんで期待は禁物!
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やりたかった。信じてる子供二人をやりたかったんです。


ブリーフィングルーム。
マイスターで一番小さい少年が遅れて入って来た。


「よお」

愛想良く手を上げるが綺麗に無視。
年長マイスターは毎度の事ながらと思う。

「お前なー」

「あれ? それ何んだい刹那?」


アレルヤが指さしたのは、地上から帰って来た刹那の脇に抱えられた箱。


「クリスマス」

それしか言わない。


「ツリー? リース?」

「靴下」


もっと接続詞が欲しい所。



「どうしたの? 靴下なんて、お菓子の詰め合わせでも買ったのかい?」

「俺は東京に暮らしてから、学習したんだ」


「ん? 何をだい?」

笑顔でアレルヤが聞く。
刹那が真顔で答えた。



「クリスマスにはサンタクロースがプレゼントをくれると聞いた」





「「……はい?」」


ロックオンとアレルヤの声が見事にハモった。






半分笑い。半分焦りのロックオンが刹那に確認をとる。


「せせせ刹那、お前、冗談言ってるんじゃないよな?!」

「?」

「サンタさんは…!」

「靴下を枕元に置いておけばくれるんだろう?」



(この年で信じてるのかーーー?!)




「え? サンタさんなんていないでしょ?」

KYの代名詞が子供の夢を無自覚に壊しに掛かる。


「信じない子には来ない」

「一回でも来た事あるのかい?」

「だから、信じる以前に知らなかったから来なかったんだ」


「………」

そもそも、砂漠に住む少年が、過去少年兵の彼がサンタなんて夢のある話を知る筈もなく。

今年から住み始めた経済都市に暮らして、初めて知ったらしい。


ロックオンは目線で送る、「子供の夢を壊しちゃいけない」。
アレルヤは目線に気付き、目が合う。

首を傾げるから殴りたくなるんだ。




「起きてるとプレゼントはくれないらしい、寝てる且つ大きな靴下が必須条件らしい」

どっから仕入れた情報だ。
今日買って来た靴下が入ってると思われる箱を掲げた。




『おい、この餓鬼、サンタをまだ信じてるぜ、面白い、ほっとこうぜ?』

脳内でハレルヤが面白そうに笑った。

「そうだね、何か、あそこまで信じてるとバラすの可哀想だね」

ロックオンの視線に気付く事なく、自己処理した。





「君は馬鹿か」

ピシリ。
忘れてた。トレミー内一の現実主義者、ティエリアを。


「サンタクロースからプレゼントなど貰える訳がない」


凍る空気。


「何だと?」

「ティ、ティエ……っ!」

焦ったロックオンがティエリアを止めようとする。



「サンタクロースは、良い子の所にしか来ない……!
武力介入をしている僕等の所に来る筈がない……。
わたしの、所なんかに……ぐず」


「!!」

ロックオンが固まった。
泣いてます、この子。


いた。更にいた、サンタを信じる子が。



「そうか……武力介入する俺達に、サンタが来る訳……」

力無く小脇に抱えていた箱が地面に落ちた。


「ぐず……」
「ふぇええ」



(何? 何でこんな事になってるの?)

あり得ない光景。
ぐずぐず鼻を啜る刹那。
眼鏡を外し、目を必死に擦るティエリア。



「サンタ……」
「プレゼント……」


胸が痛い。
お兄さん、胸が痛いです!!


純真な子供の目が痛い。
と言っても、16歳だが。

ティエリアに至っては実年齢は分からない。多分刹那と同じくらい。


いつもは大人顔負けのポーカーフェイスしやがって。

クリスマスを知らないなんてお兄さんまたまた泣けてきます。




「グズ……」


鼻を啜る音。横を見ると、貰い泣きするアレルヤ。

「そんな事ないよ!
僕達は戦争根絶の為に戦ってるんだ!
サンタさんが来ない筈がない!!」



(アレルヤ、何を言い出してんだ!!)


空気を読めるのか読めないのか、読まないのか。


「人を殺していてもか?」

「煙突が無くてもか?」

刹那、若干ズレてる。



「今日23日だよね?! 大丈夫!今日一日中いい子にしてればサンタさん来てくれるさ!
ね! ロックオン?」

ぽん。
アレルヤがロックオンの肩に手を置いた。
















「あっはっは! 似合ってるわよロックオン……あははは」

「笑うか飲むか、どっちかにして下さい」


ロックオンは酷く恥ずかしかった。


「この衣装、誰が準備したんですか?」

「あはははは」

「聞いて下さいよ!」



街角で見かける偽物サンタの衣装。ほら、ケーキ屋さんの前とかにいる。

更に赤じゃない。俺のパーソナルカラー、緑。
クリスマスイヴ前夜祭をしていた泥酔スメラギが変装したロックオンの背中をバンバン叩く。


「ぷっ、で、プレゼントはどうするんですか?」

「吹いたな」


こんな事になった原因を小突いた。
アレルヤ、これは空気を読んだとは言わない。



「多分ね、靴下の中に手紙入ってるから、それを読んで地上にたまたま降りてるイアンさんに買って来て貰うの」

クリスが携帯を片手にウィンクしてみせた。
大変可愛らしいが今は悪魔にしか見えない。


サンタさんに手紙……。懐かしいな、小さい時やった、小さい時にな。



「フェルトはサンタさんはぁ……?」

クリスの隣にいる、トレミー最少年少女。


「サンタさんはお父さんだもん……ふっ」


確かにそうだが。てか今笑ったな。
フェルトにまで笑われて、遂に落ち込む。


「ハードなミッションね、頑張りましょうみんなー!」

「スメラギさん、何本目ですか?! ほら、フェルトも寝る時間よ?」

悪酔いしたスメラギをクリスが引っ張って行った。



取り残されたのはアレルヤと緑色のサンタさん。


「ロックオン、ステキステキ!」

ぱしゃ、ぱしゃ。

「コラ! テメ、写真撮るなっ!」

ハロをとっ捕まえる。



こうなりゃとことんまでやってみせるさ。

「で、刹那とティエリアは?」

「今日は9時に寝ました」


今時の小学生でも聞かない時間だ。



「寝てるのに、この格好すんの?」

「雰囲気ですよ、まず形から」


にこにこ笑うアレルヤ。
殴りたい。お前もオレンジ色のサンタ来年やれ。


「ハロ、じゃあこっそり手紙、持ってきてね?」

「了解!」




ピョーン。とハロが廊下を転がって行った。

















「ミッション完了!」
「お疲れ様」

ハロのアームに手紙が二通。


まず青い封筒から。

「ソラン…? ああ、刹那だね」

本名じゃないとサンタさん来ないと思ったのかな……。


「『もう一機、ガンダム欲しい』」



まだ欲しいか。

毎回戦闘の度にサーベル落としてくる癖に。それ分あったらきっともう一機作れそうだとイアンが言っていた。




「あ、駄目だったらビームサーベルでもいいって」

ピンときた。
脳裏に過るのは悪乗りした大人のCM。

地味に高いもんを。


「あの、日本で売ってる奴ですか?」

「ああ、東京に売ってる。仕方ねぇ、買ってやるか」

「優しいね、ロックオンは。高いのに」


え、お金俺のポケットマネーなの?




「じゃあこっちがティエリアだね」

綺麗に畳まれた手紙。

「『最近、彼の周りをうろつく女がいる。消して下さい』」


サンタさんは殺し屋ではありません。



「ままま待てよ、ティエリア、あの子そんな恐ろしい事…!
てか無理だから!!」

ならば「ミッション完遂」とか「他のマイスターがちゃんとミッションをこなせます様に」とか、そんなんだと思ったら…!



「物じゃねえのかよ!」

「ど、どうする気ですか?!」

「て、適当にしとけ! 何か、おっきいヌイグルミとか!」


タイムリミットは彼等が起きるまでの残り7時間。
急いでメールを打つロックオン。


「だ、大丈夫なんですか、そんなアバウトで?!」

「畜生! 誰だよその『彼』って!」

「ロックオン、聞いてますか?!」




この4時間後、息を切られたイアンが帰艦する。
深夜2時を過ぎた。





「これで、良いのか……?」

「おお! ありがとうおやっさん!!」

見た目、息子と娘にクリスマスプレゼントを買って帰るお父さん。



「て言うより、ロックオン、お前さん随分と面白い恰好をして……っぷぷ」

「ひで! おやっさんまで…!」

荷物を受け取ると、さっさとラストミッションへ移る。
部屋へ侵入、プレゼントを設置。

後は朝を待つ。





二人と別れたロックオンは刹那の部屋の前にいた。

「まずは刹那から」



『幸運を祈りますので』

笑顔のアレルヤは逃げた。



(ロック掛けてねー……)

サンタさんウェルカムだ。



部屋からは寝息だけが聞こえてくる。


「んぁ……がん、らむ……」

あーあ、寝言までガンダム。
お望みのビームサーベルを置こうと靴下を探す。

あった、枕の脇から見える。



青い靴下を手に取った、その時、

「んっ、……さん、た」

「っ?!」


刹那の声じゃない。

びっくりしてベッドの奥を見ると、刹那の陰に隠れて見えなかったが、

「ティエ…ッ!?」

口を急いで押さえた。



(何で寝てんだよ、てか何でだよ?!)



こうして見ると兄弟に………。

(っく、耐えろ俺、今日は多分、一緒にサンタさん待とうとか言って、一緒に寝てんだよな。
俺もしたよ、サンタさんに会うって寝たふり一緒にしたもん)



涙で歪む視界。緑色の袖で拭うと青い靴下の隣に置かれた紫の靴下を手に取る。



(あれ? 入らない……)

大きいヌイグルミとは言ったが、これはでか過ぎる。
ディズニーランドとかに売ってる、あのサイズだ。


仕方ない、耳に被せるしかない。
入っている、と言う事になるのだろうか。



刹那は実に入れ易かった。
このサイズ、小さくていいが高い。




(可愛いな、ティエリア)

刹那もこうして見ると子供だ。サンタを信じるには少し大きいが。

この仏教面がサンタを信じてるんだ、笑える。

しかし、この一緒に寝ている光景は笑えないが。



「ん……」

おっと、長居しちゃ起きそうだ。


「俺にご褒美を……」


刹那に当たらない様にティエリアに顔を寄せる。

息を吸う分だけ開いた口、目がけて。

少しベッドが軋むが、大丈夫これくらいじゃ起きないだろう。





「……む?」


刹那は夢の中、自分の靴下の中にプレゼントを入れるサンタを見た。


「さん…た?
サンタ?!
サンタぁぁあぁ、確保ぉおおぉぉ!」

「!!」

突然の叫び声にロックオンは固まる。
しまった、刹那が起きた!

壊してしまった、子供の夢を。


「ちが、刹那、これは……!」

ぐぐ、急に体が重くなる。
何者かが俺の体に腕を回している。

この部屋にいるのは刹那とティエリア。


「ティ、ティエリア?!」

ティエリア、あのティエリアが俺に抱きついている。

こんな状況なのにも関わらず、ちょっと嬉しい。


「サンタ……鹵獲……」

「ティエリア! これは!」

「やはり、サンタはいた……」

「は?」


サンタ?


「神はいないが、サンタいた……」

刹那まで俺の体に絡みついてくる。


「サンタ…さん」
「サンタ、くろー…す」


寝ぼけてる。この二人、寝ぼけてる。


「離…せ!」

大の大人とは言え、子供二人の力に敵わない。


「ぐえ」

抱きつかれたまま、二人は再び夢の中へ落ちた。


がっちり掴まれた体は、二人の間にぼすっと落ちた。

二人の寝顔が可愛くて涙が出て来た。



「待て! 起きろ! 刹那、ティエリア!!」


「やぁ……」
「もう、逃がさない……」

「………」


何の罰ゲームだ。
俺が何をした。


身動きの取れない体。
朝まで俺はこれなのか。










「ホントに朝までこれかよ……」


帰って来ない俺を、誰も探しに来なかった。
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A型!身長約150!腐女子!
人生最大的にガンダム00にハマった訳で。

映画終わってもまだまだ熱いもん!


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