ホムシク（ごみ箱行き☆）

研究旅行中に切れそうな残電量で、モサモサ人目を盗んで打ってました。
なのでごみ箱行きだったりする。

ホームシック、略してホムシク。
私の研修旅行一日目の心境。（早いな

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「ふぇぇぇぇ……、もう帰りたいです………」


ロックオンはアレルヤから至急来て欲しいと連絡が入り、何事かと思えば部屋の隅に何かいる。

ティエリアだ。




「…どうしたんだこれ？」

「リニアが臨時点検で宇宙への出発が延期になったんです」


見るからに危ういその建造物は、点検で少しでも問題が見つかれば完全に解決するまで再運航しない。


成る程、大好きな宇宙への帰りが延期になったのだ、それは凹むわ。



「ほらティエリア、ロックオン連れて来たよ！」

アレルヤが隅で丸くなるティエリアの肩を揺する。


「ロックオン……？」



ぱっと上げた目尻には溢れる涙。

「よぉ……」
軽く手を上げると無言のまま飛び付かれた。


「ろっくおーっ……」

「ぐぇ」


情けなくも彼の体重を受け止め切れずに尻餅をついた。



「あれ…？　ティエリア……」

「初めはですね、スメラギさんに連絡したんですけどね、駄目だったので貴方を呼んだんです」

「スメラギさん何勧めたの？！」

「じゃあ後は任せます！　じゃ！！」

手を振るとガシャンと虚しく響く扉を閉じる音。


「まっ！　ちょ、アレルヤ？！」

声が裏返る。
ティエリアと二人部屋に残された。






「あー……ティエリア？」

頭をポンポン叩くが、胸に頭を埋めたまま動かない。


「えーっと、ざ、残念だったな……リニア…」

「………いんです、貴方が……来て、くれれば」


突然の告白に心臓が跳ねた。



「アレルヤが、……呼んでくれました」


（想定だが）泣きじゃくるコイツを前に困り果てるアレルヤが目に浮かぶ。





「酔ってる…訳じゃあ、ないんだよな…？」

「はぃ？」


俺の前に助けを求めたスメラギが何を勧めたのか、どうやら想定が当たった様だ。

多分、宇宙へ帰れなかったショックが大きい所為（＋酒）で、彼も大分錯乱している様だ。



全く可笑しい。
普通の人間なら宇宙にずっと居る方が頭がおかしくなる。

なのに彼は逆なのだ。






「ティエリア？」

「嫌です！　もう少しだけ……」


不安そうな顔をされると、居てもたってもいられなくなる。


「ティエリア、お前何歳？」

「しゅひぎむぅー」

「あー、はいはい」

酔っててもそこはちゃんとしてんだな。


スメラギもティエリアが落ち着く程度で良かったんだ。
自分基準で摂取させてはいけない。



とりあえずソファーまで運ぶ。



「ロックオン……もう少しそのまま……」

「え？　抱っこ？」


足が少々痺れるが、この際どうでもいい。



「嫌いな地球も、貴方となら、好きです」


どうしよう、すんげぇ可愛いんですけど。
これなら毎日お酒を飲んで欲しい。多分駄目だけど。



「貴方！　僕が酔ってると思ってますでしょ？」

俺の額を指でピンと弾く。
完全に飲んでるでしょ。


「結構僕は本気ですからね！」

そんな事言われたら。


「あー、畜生ー、可愛いなぁお前！」



抱いていた体を持ち上げ、まるで赤子をあやす様に左右に揺らす。
酔っている今の彼には無礼講だ。


「それ、まるで無重力みたいで、気持ち良い……」


本当に、子供みたいに笑った。


「あはは、それはよかった。でもお兄さん、お前の体重をずっと持ち上げてる程体力ないから、早く酔い潰れて寝てくれないかな？」

「……了解」


ゆっくり瞳を閉じる。
腕も限界だと震えていた。


「もう一回言っておきますが、僕は酔ってないし、本気です」



（貴方がいるなら、我慢できます）