ものはかんがえよう。（SS）

「子供産んだ筈なのに体重減ってない―」
って凹んでた私に、

「子供産んでも、体重は減らないって言うよ？」

って神の言葉を掛けてくれる子が。

そうかそうか、そんなんだね！！（←知らなくても諦めなかったけど）


そんなノリのSS。駄だね！

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「６１」


体重計は「６１」を指した。


彼との子を産んで早三年、どうしても元の体重にならない。
これでもかなり減らした方だ。

毎日繰り返す腹筋背筋、腕立てスクワット。



出来るなら戻りたい、いや絶対戻りたい。





「ティエリア、ずっと思ってたけど、何でお前もう戦わなくてもいいのに体力作りしてんだ？」




日曜日、日課となった減量を彼は不思議そうに見ていた。

足の上に重りとして子供を乗せ、只今腹筋中。



「体力作りも確かにあるが……」


あの頃のベストな体重に戻りたい。




「ママ、ダイエットちゅうなんだって」

「ダイエット？」

「こらっ！」



子供は黙れと言うとかえって言いたがる。
しかし釘を刺さなくても話す、どうすればいいんだ。





「お前、体力作りじゃなくて、ダイエットしてたのか？」
「わ、笑わないで下さい」

一体誰の為だと。

笑うなんて酷いじゃないか。



「この子を産んでから、体重がイマイチ減らない……」

全て出したのだから、元に戻ってもいい筈なのに。



「知らないか？　子供産んでも、体重は元に戻らないって言わないか？」
「………はい？」

じゃあ、私の苦労は。


「でもお前、結構減らしたんじゃね？　後何キロなんだ？」
「……２キロ」
「はぁ！？　お前すごっ」

腹筋する私を起こす。



「あははは、律儀に体重戻すなんて、俺は絶対出来ないね」
「うあ！」


流石元マイスター、６０キロくらい軽く持ち上げる。
彼の足を自分もしてくれと子供が叩く。



「私は…貴方の為に……」
「ん？　俺の為？」
「もういいです！」


その顔、その私の考えてる事なんてお見通しな顔、物凄くムカつく。
しかし嫌いではない。




「パパ！　ママばっかズルい！！！」
「あーあー、はいはい」

泣きだす前に私とこの子を入れ替える。
親なんて知らない私には、全てが新鮮だ。




「知ってるか？　それは幸せ太りってんだ」




ああ、成る程。



「納得しました」
「おう、それはよかった」