だって、不衛生だし。（緑と紫）

妄想する分には楽しかった。

セカンド始まったらもうこんな駄文、申し訳なくなってくる。

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「ではロックオン、僕はそろそろ寝ます」

「おう、そうか」

「歯磨きをするので洗面所を借ります」

「はいはいー」


今俺の地上の仮住まいに彼は泊っていた。
次のミッションにはここが近いから。



「あ、洗面所に忘れ物した」


ティエリアがいる洗面所に向かう。
早いな、もう寝るのか。ミッション一番の彼なら可笑しくないのだが。



「ティエリアー？　俺の忘れも…の……」
「はい？」


洗面台の前に立っていたティエリアがこちらを振り返る。



左手には歯磨き粉。
右手には緑色の歯ブラシ。

そう、俺の緑色の歯ブラシ。



「ティティティティエリアーーー！！」

それ俺のそれ俺の、それ俺のーーー！




「何ですか、大きな声出して」

「それおおお俺の！！！」

「貴方の？」


口を大きく開け、ティエリアは俺の歯ブラシを咥え様とする。



「待て待て！　待って！」

「……何なんですか、さっきから」

「それで歯磨きする気か？！」

「当たり前です。寝る前に歯磨きをしないなんて不衛生です」



それはそうだけど。



「それ、俺使ってるやつなんだけど……」

「ええ、自分のを持ってこなかったので、借りてます」


また咥え様とする。


「だから待てって！　それ俺使ってるやつだって！」

「知ってますよ！　借りますと言ってるじゃないですか！」




歯を磨かない事は不衛生だと思う様だが、
人が使用済みの歯ブラシを使う事に対しては不衛生と感じない様だ。

どんな神経してんだ。



「コンビニで買って来ればいいだろ？！！」
「こんな遅くにですか？　だから僕はもう眠いのです」


大きな欠伸と同時に、


「あー……」
先端が彼の口の中に消えた。


「うるしゃいでしゅ、おかひいでふよ、今日のあなた」



俺が今朝使った歯ブラシが、
彼のお口の中に。


洗面台に向き直し、シュコシュコと歯を磨き始める。



どんどん顔に血液が集中していくのが分かる。
熱い。



鏡越し、彼の小さな口の隙間から俺のブラシが覗く。


「か…間接……ちゅぅー………」
「かんふぇふ？」


振り返り、今の言葉の意味を問う。



「何でもない……」










ティエリアがうがいをしている。
勿論、俺の緑色のコップで。

結局、終始彼の歯磨きする様子を見てしまった。


「俺の…、歯ブラシ………」



歯磨きを終えたティエリアがくるりとこちらに向く。



「はい、どうぞ磨いて下さい」




彼は自分の口にした物を貸し出す事も平気な様だ。



「磨かないとは言わせませんよ？　不衛生ですから」


「んぐ！！」


嗚咽が走るほど、口の奥に歯ブラシを突っ込まれた。