私が人を信じるまで（緑と紫）

新ジャンルごみ箱～。
「こそーり」の方にもごみ箱がありますが、あっちはあくまでも表でも恥ずかしい品ですから。



これ打った日付、【２月１６日】でした。（またかよ
結構２月率が高いんです。後半、テンション上がってたんでしょうね。

内容はまたまたフェルトちゃんに嫉妬する話で、色々被ってるんでごみ箱行き。
フェルトちゃんに味を占めた元祖だと思う。

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「ロックオン！」
廊下に可愛らしい少女の声が響く。

またあの女だ。―――フェルト・グレイス。
二代目マイスターの子供だか何だか知らないが、最近やたらと我が恋人に近付く。

基本的に人当たりが良い彼だ、トレミーのクルー達から慕われるのは分かる。
だがあれは明らかに好意以上の感情だ。


歳は１０も離れているが、もし恋敵同士になったらなら男の俺に勝ち目なんて…。



「ティエリア、どうした」
急に呼ばれて顔を上げると刹那の顔があった。

そうだ、食事を取りに来たら、たまたま彼と一緒になったんだ。
「何でもない」
不快だ。立ち上がり食器を台に戻す。

「食べないのか？」
「君には関係ないだろう」

ああそうさ。好きと言ったのは彼の方。
しかし「永遠に」なんては言ってはなかった。

今、あの女がロックオンに迫り、「後２年待って」なんて言われたらどうなるだろう。


「…ティエリア？」
「すまない、体調が悪い。退室させていただく」


ヴェーダにミッション以外の事は聞けない。
どうすればいいんだ。ミッション以外で俺が悩むなんて初めてだ。

結局アクセスルームの前まで来たものの、引き返してしまった。






部屋に入ろうとするが、ドアのロックが外れている事に気付く。
ああ、居るんだ。


「お、お帰りティエリア」
案の定。
「どうして居るんですか？」

「酷いなぁ」とぼやきながら俺をベッドに座らせる。
その隣に太々しく座る。


「お前、体調悪いんだって？」
ちっ、刹那か。変な所でお喋りな奴だ。

「食欲がないだけです」
「それ、十分やばいって…」

大きい手で頬を撫でられる。ああ…今日は手袋をしたままなんですね。

「どうしたんだー？　最近元気ないな」
誰の所為で…！　


「そう言えば、先程フェルト・グレイスが貴方を探していましたよ」
「フェルトが？　ああ、この前貸したCDかな？」


「仲が良いですね」


多分、これが嫉妬。本で読んだ事がある。
何て苦しくて痛いものだ。

「え？　ちょ…ティエ…！？」
自分から彼に迫り、キスしようと思った。思ったんだが……。

もし拒否されたら？
一回やったきり、して貰った事がない。

その理由がもしあれならば。




「……すまないが、寝かせてくれないか。体調が………んっ？」

あ、ロックオンがキスしてくれた。


「そんな顔すんなよ、…胸がいてぇ」



「なんで？」

俺は男だぞ？
人なんて愛した事がない。
愛されたいとも思わない。


「ダメっ…だ、ロックオン」
無理やり顔を引き剥がす。

「フェルト・グレイスが貴方に好意を抱いている」
「知ってるさ」
「！？
では何故僕なんかと…、私なんかを………」



「お前が俺を好きでいてくれるからさ」
「？」
「フェルトの事は気付いてたさ。
でも、フェルトはあくまでもクルーだ。あっちも兄みたいに慕ってるだけさ」
「しかし、」
「だから！　たとえフェルトが本気でも心変りはしません！」

何て人だ。人はこんなにも一途に愛せるモノなのか。


「てゆーか、俺の方が心配だって。
アレルヤに更に最近ミハエルとか何とかまでお前の事をだなぁ…」
なぜ今その名前が出て来る？

「あれ？　ひょっとして無自覚？」

話が見えない…。

「じゃあ注意しねーとな」

良く分からないが、どうやらロックオンも俺を好きでいてくれる様だ。




「フェルトの事でずっと悩んでたのか？　食えなくなるだけ」
「だって、俺…男で、
愛し方なんて…知らなくて、初めてで。ガンダムに乗れさえすれば良くて、
なのに貴方に好きだと、でも、」

「大丈夫」
気付けば俺は貴方の胸の中。

「こんなに俺の事を考えてくれてるお前を、愛せない方が無理な話だって」


がばっと体を離すと、いきなり頭を深々と下げてきた。

「一生愛しますので、俺も愛して下さい！」


一生…、信じてみよう。今度こそ人を。

だが、
「な、何と返せば良いのか分からない…」



上げた顔は満面の笑み。



「Yesならココにキスして下さい」


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≪まだ「俺、僕、私」が何なのか分かってなかった頃の品だね≫
≪今も良く分かってないのですがね…≫